東京都豊島区の立教池袋中学校・高等学校では、タブレット端末を活用したICT教育の推進に伴い、 無線LAN環境にクラウド型無線LAN「Cisco Merak(i「以下、Meraki)」を導入した。 特別なRadiusサーバー(後述)と組み合わせることで、Meraki環境においても通信の暗号化を実現させた。 NTTデータ ジェトロニクスの技術支援のもと、安全にタブレット端末を活用するためのネットワーク基盤が整備された

学校法人立教学院 立教池袋中学校・高等学校

【導入の経緯】
タブレットを活用したICT教育の実現に向け無線LAN環境の導入を検討「 キリスト教に基づく教育」を建学の精神に掲げる立教学院 立教池袋中学校・高等学校は、いわゆる「中高一貫教育」を超えて、大学までを視野に入れた「立教学院一貫連携教育」の実現を目指している。
「 校舎を増築して教室数を増やし、少人数クラスを実現することで、さらなる教育における質の向上を図っています。
また、英語に特化した教育も本校の特徴です」と話すのは、立教池袋中学校・高等学校 事務室 森田 昌也氏。2009年からの教育改革プロジェクトのもと、新教室棟と体育館(ポール・ラッシュ・アスレティックセンター)が2013年に竣工し、最新の設備を活用した新カリキュラムによる教育が進んでいる。
 さらに立教池袋中学校・高等学校では2014年、タブレット端末を活用したICT教育の導入を検討するグループを立ち上げた。
2015年からは一教室で試験的に無線LAN環境を整備して試行運用を行ってきた。
「 2018年4月のスタートを目標に、アクセスポイント(以下、AP)を1台試験導入して無線LAN環境をさまざまな視点から検証しました」と森田氏は振り返る。

【導入時の要件】
高い運用性と実現すべきセキュリティ対策の両立検討を重ねた結果、無線LAN環境を導入する際の主な要件は、まず運用管理が容易であること。
次に、接続できる端末を制限できること。そして、授業中に生徒全員が接続してもダウンすることのない環境だ。
特に、接続できる端末を制限するための方法として、端末認証(MACアドレス認証)を使うことがポイントだったという。
 2018年4月から高校1年生がタブレット端末の利用を開始、3年かけて高校生は1人1台体制となる計画である。
そのため、毎年管理台数が増え、生徒が入れ替わっても運用管理が煩雑にならないことはもちろん、多人数が同時に快適に利用できる環境を保つ無線LANが求められた。
 これらの要件を実現するため、立教学院全体のネットワーク基盤を統合管理している立教大学メディアセンターからの紹介により、NTTデータ ジェトロニクスから提案を受けたのが、クラウド型無線LAN「Cisco Meraki」である。
ところが、MerakiとRadiusサーバーを組み合わせてMACアドレス認証を行う場合、無線LANの通信が暗号化されないという仕様が判明。
一時はMerakiの導入を断念しかけたが、立教大学メディアセンターと連携しながらNTTデータ ジェトロニクスでさまざまな方法・構成を模索し検討を行った結果、最終的には特別なRadiusサーバーと組み合わせることで、要件を両立させることができた。
 森田氏は、「MerakiはCisco社の製品としての信頼がありましたし、管理サーバーを持たなくてよいため将来的に更新の負担が少ないことが魅力でした。
ポイントだったMACアドレスをキーにした端末認証も両立できる最適な提案をいただきました」と語る。
 他の製品も含め幅広く検討を行ったが、要件をすべて満たした提案は他にはないと、森田氏はNTTデータ ジェトロニクスの技術力、提案力を高く評価した。

【導入後の効果】
教員が授業でPCを活用する機会が増加双方向授業の展開が加速する。
 2017年8月、夏休み期間を利用してMerakiの導入が実施された。APは「Cisco Merakiシリーズ MR33」で、全校舎をカバーする約80台が設置された。
中期がスタートする9月には正式に利用が開始され、Merakiは端末認証を含めてトラブルもなく、安定して稼働している。
 立教池袋中学校・高等学校では同タイミングで教職員システムの更新も行っており、教員が利用するPC端末もタブレットとして使用できる2in1の機種を選定し、従来のシンクライアントシステムから運用を変更している。
「普通教室に設置したプロジェクターへ無線LAN経由で投影できるようにしたことで、授業中の資料提示などが容易にできるようになり、教員が授業内でPCを活用する割合が格段に増えました」と森田氏は導入効果を語る。
従来の有線環境では、プロジェクターを利用するにもケーブル準備などが煩雑だったが、無線化により使い勝手が大幅に向上したという。
 提案から構築、運用に至るまで、NTTデータ ジェトロニクスは積極的な支援を行っていた。
「提案力、技術力に加え、エンジニアの柔軟な対応力の高さは非常に心強く、誠実で、サポートも安心して任せることができます」と森田氏は高く評価している。
 2018年4月からは生徒がタブレット端末を持つことで、授業支援ソフトなどを利用した双方向授業の展開など利用場面は増えていく。
「授業での教育効果を向上させることはもちろん、生徒自身が課外活動などでもICTを積極的に活用し、より充実した学校生活を送るツールの一つになることを期待しています」と森田氏は語る。
将来的には、ネットワークを利用した校内放送なども検討したいという。
 最後に、森田氏に今後の展望を聞いた。
「 今回の無線LANを含めた環境整備で、ICT教育のスタートラインに立てました。今後は先生方が本校にふさわしいICTを活用した教育活動を展開してくれることでしょう。
それを、側面からではありますが、メディアセンターのバックアップを受けながらICT環境の整備・活用を推進していければと考えています。
その中でNTTデータ ジェトロニクスにもさらなるサポートを期待したいと思います」と森田氏は語った。


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