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請求書受取電子化サービス8選【比較ポイントは6つ】

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紙の請求書処理に追われる日常業務や、電子帳簿保存法・インボイス制度といった法改正への対応は、多くの経理・財務担当者にとって大きな課題です。解決策として請求書受取電子化サービスの導入を検討しても、多種多様なサービスの中から自社の業務フローや予算に最適なものを選び出すのは容易ではありません。この記事では、請求書受取電子化サービスの基本から、自社に合うサービスの選定ポイント、導入後の効果を最大化するための具体的なアクションまでを網羅的に解説します。

目次

自社に合うのはどれ?請求書受取電子化サービスの3つのタイプ

タイプ1:請求書の受領からデータ化まで代行するサービス

請求書の受け取り自体をベンダーが代行する、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)型のサービスです。紙の請求書はベンダーのセンターへ直接郵送してもらうため、社内での開封やスキャン作業が不要になります。
「TOKIUMインボイス」のように、紙やPDFなどあらゆる形式の請求書に対応し、ペーパーレス化を強力に推進できる点が大きな特徴です。
オペレーターが目視で確認するサービスが多く、データ化の精度も高い傾向にあります。経理部門のリソースを確保したい企業や、紙の請求書が多い企業に適したタイプといえるでしょう。

タイプ2:スキャン後の請求書をAI-OCRでデータ化するサービス

自社で受け取った請求書をスキャンし、その画像データをAI-OCRでデータ化するタイプです。メールで届いたPDF請求書も同様にアップロードして処理します。
受領業務は自社で行いますが、入力作業の手間をAI技術で削減できる点が特徴です。「バクラク請求書受取」などがこのタイプに該当します。
導入コストを抑えつつ、入力業務の効率化を図りたい企業に向いています。社内で業務をコントロールしやすい一方、スキャン作業は残るため、紙の請求書が比較的少ない場合に有効な選択肢です。

タイプ3:取引先も利用するプラットフォーム型のサービス

請求書の発行側と受取側が同じプラットフォームを利用し、デジタルデータを直接やり取りするタイプです。代表的なサービスとして「BtoBプラットフォーム 請求書」が挙げられます。
紙やPDFを介さず、構造化されたデータとして受け取るため、データ精度が高い点がメリットです。郵送コストや紛失リスクもなく、会計システムへ即時に連携できます。
ただし、この方式は取引先の協力が不可欠です。すでに多くの取引先が利用しているプラットフォームであれば、導入効果は高くなるでしょう。

請求書受取電子化サービスの導入手順と注意点

導入検討から運用開始までの7ステップ

導入を成功させるには、計画的なプロセスが重要です。
まず、現状の業務フローと課題を可視化し、解決の優先順位を定めます。次に、必須要件を整理して自社に合うサービスタイプを選定し、候補を絞り込みます。
候補サービスについては、資料請求やデモで機能・操作性を比較検討しましょう。サービス決定後は、勘定科目などの初期設定と並行して、新しい業務フローの社内周知を進めます。
最後に取引先への案内を行い、テスト運用を経て本格稼働へと移行します。段階を踏むことで、混乱を防ぎスムーズな導入が実現できます。

社内での合意形成と業務フロー見直しのポイント

システム導入は、経理部門だけでなく購買部門や承認者など、全社に関わるプロジェクトと捉えることが重要です。導入の目的やメリットを関係各所に明確に伝え、協力を得ることが成功の鍵となります。
現場部門には新たな作業が発生する場合もあるため、全社的な業務効率化につながる点を丁寧に説明しましょう。
また、既存の業務フローをそのまま移行するのではなく、システム導入を機に承認ルートを簡素化するなど、業務プロセス自体の見直しも同時に行うことで、導入効果をより高めることができます。

取引先への事前のアナウンスと協力依頼

請求書の受取方法を変更する場合、取引先の協力が不可欠です。特に受領代行サービスを利用する際は、請求書の送付先変更を依頼する必要があります。
トラブルを避けるため、導入の数ヶ月前から案内を開始しましょう。案内文には、変更理由、新しい送付先、切り替え時期、問い合わせ窓口を明記することが大切です。
郵送だけでなく、メールや電話でのフォローも行うとより確実です。プラットフォーム型の場合は、取引先側のメリットも伝え、登録を促す丁寧なコミュニケーションが求められます。

取引先の協力が得られない場合の代替策と移行期間の乗り切り方

すべての取引先が、すぐに新しい方法へ対応できるとは限りません。紙での送付を希望されたり、システム登録が難しかったりする場合も想定されます。
そのような場合は無理に強要せず、当面は従来通りの方法と併用し、自社でスキャンしてシステムに取り込むといった対応が必要です。
移行期間中は新旧の運用が混在するため、二重計上や処理漏れを防ぐチェック体制を強化しましょう。徐々に電子化の比率を高めていく柔軟な姿勢が大切です。

失敗しないための比較検討ポイント6選

対応範囲:紙・電子など受け取る請求書の形式

自社に届く請求書の形式は、紙の郵送、メール添付のPDF、Webサイトからのダウンロードなど多岐にわたります。自社で発生する主な受領方法に対応できるかを確認することが重要です。
特に、紙の請求書が多い場合は、スキャン代行や受領代行オプションの有無が重要な判断基準となるでしょう。
一部のサービスでは、特定のWebサイトから請求書データを自動取得する機能も提供されています。自社の状況に合わせて、必要な範囲をカバーできるサービスを見極めましょう。

データ化の精度と方法:AI-OCRとオペレーター入力

データ化の精度は、後続の業務効率に直接影響します。
AI-OCRはコストとスピードに優れる場合がありますが、手書き文字や複雑なレイアウトでは読み取り精度が落ちる可能性があり、目視確認が必要になるケースも少なくありません。
一方、オペレーターによる入力は精度が高い傾向にあり、修正の手間を削減できます。ただし、コストが高くなる傾向があり、データ化に時間がかかる場合もあります。「invox受取請求書」のように両者を組み合わせ、高精度を謳うサービスもあります。
精度、コスト、スピードの何を優先するか、自社のニーズに合わせて最適な方式を選びましょう。

システム連携:会計ソフトやERPとの連携は可能か

電子化したデータを会計システムやERPへスムーズに連携できるかは、業務効率化の重要なポイントです。
利用中の会計ソフトとAPI連携が可能かを確認しましょう。API連携に対応していれば、仕訳データを自動で送信でき、手作業でのデータ移行の手間を削減できます。
API連携ができない場合でも、CSVデータの出力フォーマットを柔軟にカスタマイズできる機能があれば、多くの会計システムに対応可能です。また、支払業務の効率化には、全銀協フォーマットの振込データが出力できるかも確認しておくとよいでしょう。

法令対応:電子帳簿保存法・インボイス制度への準拠

導入するシステムが、電子帳簿保存法やインボイス制度といった最新の法令に対応していることは必須条件です。
電子帳簿保存法については、JIIMA認証を取得しているかが一つの目安になります。法的要件を満たしていることが第三者機関によって保証されているためです。検索機能や訂正削除の履歴保存機能の有無も確認しましょう。
インボイス制度に関しては、登録番号の自動照合機能があると便利です。国税庁のデータベースと照合し、適格請求書発行事業者かどうかを自動で判定してくれるため、確認作業の負担を軽減できます。

料金体系:初期費用、月額費用、従量課金の確認

料金体系はサービスによって大きく異なり、初期費用、月額固定費、従量課金など様々です。
まずは自社の月間の請求書受領枚数を把握し、複数の料金プランでシミュレーションすることが大切です。受領枚数が少ない場合は従量課金制、多い場合は定額制が有利になる傾向があります。
また、オペレーター入力や原本保管といったオプション費用も忘れずに確認しましょう。トータルのランニングコストで比較検討することが、自社に合ったサービスを選ぶポイントです。

サポート体制:導入時や運用中の支援内容

新しいシステムの導入には、初期設定や社内定着に関する不安が伴います。そのため、ベンダーのサポート体制が充実しているかも重要な選定ポイントです。
導入時の支援内容、マニュアルの有無、問い合わせ窓口などを確認しましょう。特に業務フローが大きく変わる場合は、他社事例を基にした運用提案をしてくれるベンダーが心強いでしょう。
運用開始後にトラブルが発生した際、迅速に対応してくれる体制が整っているかも事前にチェックしておくことをお勧めします。

導入効果を最大化するための次のアクション

候補サービスを2〜3社に絞り込み資料請求を行う

これまでの比較検討ポイントを基に、自社の課題や要件に合う候補サービスを2〜3社に絞り込みましょう。
Webサイトの情報だけでは詳細が分かりにくいため、各社に資料請求を行うことをお勧めします。詳細な資料を取り寄せることで、機能の細かな違いや、オプションを含めた正確なコスト感を把握できます。
導入事例集なども参考にすれば、自社と近い企業の活用方法を知ることができ、導入後のイメージが湧きやすくなります

無料トライアルやデモで操作性と業務適合性を確認する

資料での比較と合わせて、無料トライアルやデモで実際の使い勝手を確認することが重要です。
現場の担当者が実際に操作し、画面の見やすさや処理速度などを体感しましょう。また、自社で扱う複雑なフォーマットの請求書が正しく読み取れるかなど、実務に即したテストも有効です。
事前に業務適合性を確認することで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。疑問点はこの段階でベンダーに質問し、解消しておきましょう。

導入に向けた社内稟議の準備と費用対効果の試算

導入サービスを選定したら、社内稟議の準備を進めます。
稟議書には、現状の課題、導入による解決策、期待される効果などを盛り込み、費用対効果(ROI)を具体的に記載することが重要です。削減できる作業時間や人件費、保管コストなどを数値で示すと説得力が増すでしょう。
加えて、法対応のリスク回避やテレワーク推進といった、金額換算しにくいメリットも合わせて訴求することで、決裁者の理解を得やすくなります。

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まとめ:自社に最適な請求書受取電子化サービス選定のために

請求書受取電子化サービスは、紙の請求書処理に伴う非効率性や人的ミスを解消し、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法改正へ対応するための有効な解決策です。サービスには、受領代行型、AI-OCR型、プラットフォーム型といった複数のタイプがあり、自社の請求書受領枚数や業務フローに応じて最適なものを選ぶことが重要となります。失敗しないためには、対応範囲やデータ化の精度、会計システムとの連携、料金体系といったポイントを多角的に比較検討することが重要です。本記事で解説した選定ポイントを参考に、まずは自社の課題を改めて整理し、候補となるサービスの資料請求やデモを通じて、具体的な比較検討を進めていきましょう。

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