M&Aコンサル会社ランキング|主要20社の特徴と選び方を徹底比較
2026年5月11日

結論から言うと、M&Aコンサルティング会社は「ランキング上位かどうか」ではなく、自社の業種・規模・譲渡か買収かといった条件と、報酬体系・契約形態(仲介型かFA型か)の整合性で選ぶことが最も重要です。中堅・中小企業のオーナー経営者や経営企画責任者にとっては、複数社からのアプローチを客観的に比較し、利益相反リスクまで踏まえて検討する視点が欠かせません。本記事では、M&A支援会社の役割と種類、評価基準、主要各社の特徴、自社に合う選び方、依頼前の確認事項までを、各社公表情報と中小企業庁「中小M&Aガイドライン」を踏まえて整理します。読み終えた段階で、自社に適した相談候補を数社に絞り込めることを目指します。
目次
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M&Aコンサル会社ランキングの評価基準
ランキングや比較記事は数多く存在しますが、評価軸により順位は大きく変動します。自社にとって意味のある比較を行うため、主要な評価基準を整理します。
成約実績・案件数
成約件数や累計実績は、その会社の経験値とネットワークを示す客観的な指標の一つです。
公表データの例として、株式会社日本M&Aセンターホールディングスは1991年の設立から30年以上の実績を持ち、累計成約実績は1万件以上と公表しています。M&Aキャピタルパートナーズ株式会社やストライクも、累計で多数の成約実績を公表しており、ストライクは創業以来3,200件以上のM&A成約を公表しています。
ただし、件数だけでは案件規模や難易度は判別できません。自社と類似する規模・業種の実績があるかを併せて確認することが重要です。
業界・規模の得意領域
会社ごとに得意とする業界や案件規模は異なります。
たとえばブティックス株式会社は介護・福祉業界に特化したM&A仲介を展開しています。名南M&A株式会社は東海地域を中心に強固な実績を持ち、地域密着型の支援を強みとしています。インテグループ株式会社は売上1億円から150億円程度の中堅・中小企業のM&A支援を得意領域としています。
自社の業種・規模で実績のある会社を選ぶことで、業界特有の論点を踏まえた精度の高いマッチングが期待できます。
報酬体系(着手金・中間金・成功報酬)
報酬体系は会社により大きく異なります。主な費用項目は以下の通りです。
相談料:相談時に発生する費用(無料の会社が多い)
着手金:契約締結時に支払う費用
月額報酬(リテイナーフィー):契約期間中に毎月支払う費用
中間金:基本合意時などに支払う費用
成功報酬:M&A成立時に支払う費用
成功報酬の算出には「レーマン方式」が広く用いられます。
レーマン方式は、取引金額に応じて手数料率が段階的に変動する計算方式です。一般的には、5億円以下の部分は5%、5億円超〜10億円以下の部分は4%、10億円超〜50億円以下の部分は3%、50億円超〜100億円以下の部分は2%、100億円超の部分は1%とする料率が用いられることが多いとされています。
料率の対象となる金額にも違いがあります。「移動総資産」を基準とする方式と、「株価(譲渡対価)」を基準とする方式があり、後者の方が成功報酬を抑えやすい傾向があります。最低手数料の設定も会社により異なり、数百万円から2,000万円超まで幅があります。
近年は「完全成功報酬制」を採用する会社も増えています。着手金・中間金が不要で成約時のみ費用が発生するため、初期コストを抑えたい企業に適した体系です。
専門人材の在籍状況とサポート体制
M&Aには財務・税務・法務・人事など幅広い専門知識が必要です。公認会計士、税理士、弁護士などの専門人材が社内に在籍しているか、外部の専門家ネットワークと連携しているかは重要な確認項目です。
また、中小企業庁が運営する「M&A支援機関登録制度」への登録有無も、信頼性を測る一つの目安となります。登録機関は「中小M&Aガイドライン」の遵守を宣言しており、業務品質や情報管理体制に一定水準が求められています。
【2026年版】主要M&Aコンサル会社の比較
本記事では順位を固定せず、タイプ別に代表的な会社を整理します。各社の特徴・実績・報酬体系は、公表されている情報に基づき記載しています。最新の数値や条件は、必ず各社の公式サイトでご確認ください。
上場系大手仲介会社
上場系の大手仲介会社は、情報開示の透明性と広範なネットワークが特徴です。中堅・中小企業の事業承継案件を中心に幅広く対応しています。
株式会社日本M&Aセンターホールディングス
1991年設立の国内最大手仲介会社の一社です。全国の地方銀行・信用金庫、1,000以上の会計事務所と提携したネットワークを強みとしています。累計成約実績は1万件以上と公表されており、近年の連結売上高は400億円台で推移しています。
地方の中堅・中小企業のM&A支援に強みを持つほか、企業評価、PMI(経営統合)、ファンドなど幅広いサービスを展開しています。
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
2005年創業、着手金無料の成功報酬型を比較的早期に導入した会社として知られます。譲渡企業と譲受企業の双方に専任コンサルタントが付く体制が特徴です。
1件あたりの成約単価が業界内でも高い水準にあり、調剤薬局業界などでの実績が豊富とされています。士業資格を保有するアドバイザーが多数在籍しています。
株式会社ストライク
1997年設立、公認会計士が中心となって設立されたM&A仲介会社です。
インターネット上のM&Aマッチングプラットフォーム「M&A市場SMART」を運営し、オンラインでのマッチングを取り入れている点が特徴です。全国に拠点を展開しており、東証プライム市場上場グループの安心感と公認会計士主体の専門性を兼ね備えた選択肢です。
株式会社M&A総合研究所
2018年設立、AI技術を活用した独自のマッチングシステムを構築している会社です。完全成功報酬制を採用し、着手金・中間金・月額報酬は発生しないと公表しています。
AIによる業務効率化により、成約までの期間が比較的短い点が公表されている特徴です。
株式会社オンデック
大阪市に拠点を置く仲介企業で、中小M&A業界に長く取り組んできた会社の一つです。全国の中小企業を対象とし、地方企業のM&A支援を得意としています。
売り手と買い手の単なるマッチングだけではなく、企業価値の向上や企業の成長を重視する姿勢を打ち出しています。
名南M&A株式会社
名古屋市を拠点とするM&A総合コンサルティングファームで、東海地域を中心に強固な実績を持ちます。税理士事務所を起点に設立された経緯から、「名南コンサルティングネットワーク」と呼ばれる士業・コンサルタント集団と連携した支援が可能です。
複数都市にオフィスを構え、広域での案件にも対応しています。
ブティックス株式会社
介護・福祉業界のM&A仲介に特化した会社です。もともと介護用品の販売・レンタル事業からスタートし、介護業界に特化した仲介事業を展開しています。
業界向けに比較的低水準の手数料体系を打ち出し、介護・福祉分野での実績を積み重ねています。展示会事業を通じた譲受候補企業のネットワークを保有しており、スタッフの雇用継続や利用者へのサービス継続を重視したマッチングに強みがあります。
インテグループ株式会社
中堅・中小企業のM&A支援を得意とする仲介・アドバイザリー会社です。売上規模1億円から150億円程度の企業の実績が豊富とされています。
完全成功報酬制を採用しており、着手金・中間金が不要で、1人のコンサルタントが案件発掘から成約まで一気通貫で担当する体制を取っています。
株式会社fundbook
2017年設立、アドバイザーとプラットフォームを組み合わせた支援モデルを展開しています。経験豊富なアドバイザーによるサポートと、自社プラットフォームに登録された譲受企業の組み合わせにより、マッチングの幅を広げています。
完全成功報酬制を採用しており、成約まで費用が発生しない点も特徴です。分業モデルにより、属人化しがちなM&Aプロセスを効率化しています。
金融系・FA系
銀行・証券会社系および監査法人系のFASは、大型案件やクロスボーダー案件で存在感を示します。各種M&Aリーグテーブルでは、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、野村、大和証券グループ本社、三菱UFJモルガン・スタンレーなどが上位に位置することが多いとされています。
BIG4系のFAS(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー、PwCアドバイザリー、KPMG FAS、EYストラテジー・アンド・トランザクション)は、グローバルネットワークを活かし、財務デューデリジェンス、企業価値評価、PMI支援などを包括的に提供しています。
独立系FAとしては、フロンティア・マネジメント株式会社、山田コンサルティンググループ株式会社、マクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社などが知られています。
業界特化・ブティック系
特定業界や特定テーマに専門特化した会社も増えています。
株式会社M&Aベストパートナーズは、製造・建設・不動産・医療ヘルスケア・物流・IT業界などに特化した支援を提供しています。株式会社CBパートナーズおよび株式会社ペアキャピタルは医療・介護・福祉業界、株式会社ウィルゲートはIT・Web業界、株式会社エイスリーはエンターテインメント業界に特化しています。
業界特化型の強みは、業界特有の商慣習や法規制を踏まえた精度の高い提案にあります。一方で、案件規模や対応エリアに制約がある場合もあるため、自社のニーズと照らし合わせて検討してください。
中小企業・事業承継特化系
小規模案件や事業承継に特化した会社も多数存在します。
株式会社経営承継支援、株式会社M&Aコンサルティング、レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社、株式会社クラリスキャピタル、株式会社たすきコンサルティング、みつきコンサルティング株式会社などが該当します。完全成功報酬制を採用する会社が多く、初期費用を抑えながら相談できる点が特徴です。
自社に合うM&Aコンサル会社の選び方
ランキング上位の会社が必ずしも自社に最適とは限りません。自社の状況に応じた選定軸を持つことが重要です。
譲渡(売り手)か買収(買い手)かで変わる選定軸
譲渡側の場合、後継者問題の解消、創業者利益の確保、従業員の雇用維持など、目的により重視すべき要素が変わります。
売却価格の最大化を最優先するなら、片手契約のFAや、複数の買い手候補から競争入札に近い形で選定できる体制を持つ会社が有力な選択肢となります。
譲受側の場合、シナジー効果の見込める対象企業を探索できるネットワーク力、デューデリジェンスの質、PMI支援の体制などが重要です。
案件規模別の最適解
小規模案件(譲渡価格数千万円〜1億円程度)では、最低手数料の水準が選定の鍵となります。最低手数料が高額に設定されている大手仲介会社では費用負担が重くなるため、小規模案件を得意とする会社や、完全成功報酬制で最低手数料が低い会社が検討対象となります。
中堅案件(譲渡価格数億円〜数十億円)は、大手仲介会社の主戦場です。ネットワーク力と支援体制のバランスを評価して選定します。
大型案件(譲渡価格数十億円超)では、金融機関系のFAやBIG4系FASが中心となるケースが多く見られます。クロスボーダー案件では、グローバルネットワークの有無も重要な要素です。
利益相反リスクとセカンドオピニオンの活用
仲介型は双方から報酬を得る構造のため、利益相反リスクが指摘されることがあります。中小企業庁の中小M&Aガイドラインでは、仲介者は両当事者に対して公平・公正に対応し、いずれか一方の利益を不当に害する対応をしない旨が定められています。
過剰なバリュエーション提示や、譲り受け側の財務状況の誤認を招くような広告・営業は不適切な行為として整理されています。契約前に説明される内容を慎重に確認し、必要に応じて他の支援機関へのセカンドオピニオン依頼も検討してください。
専任条項やテール条項についても、その対象範囲や期間が過度に広くないかを確認することが推奨されます。中小M&Aガイドラインでは、専任条項の契約期間やテール期間について、過度に長くならないよう目安が示されています。具体的な数値は最新版のガイドラインで必ず確認してください。
依頼前に確認すべきチェックポイント
M&Aコンサル会社と契約する前に、以下の項目を必ず確認してください。
契約形態(仲介型かFA型か)と、その理由の説明
提供する業務範囲(バリュエーション、マッチング、交渉、デューデリジェンス支援、PMIなど)
手数料の総額と発生タイミング(相談料、着手金、中間金、月額報酬、成功報酬)
レーマン方式の料率基準(株価ベースか移動総資産ベースか)と最低手数料
担当者の保有資格、経験年数、過去の成約実績
専任条項・テール条項の対象範囲と期間
中途解約の可否と条件
M&A支援機関登録制度への登録有無
業界・規模における自社と類似する案件の実績
担当者との相性とコミュニケーションの取りやすさ
複数社から見積もりを取り、サービス内容と費用のバランスを比較検討することをおすすめします。無料相談を実施している会社も多いため、いきなり契約せず、まずは相談から始めるのが安全な進め方です。
中堅・中小企業の経営者におすすめのM&Aコンサルティング一覧!
よくある質問(FAQ)
M&A仲介とFAはどちらを選ぶべきですか
案件規模と重視する要素により判断が分かれます。中小規模で双方の早期合意を重視するなら仲介型、依頼者側の利益最大化を重視するならFA型が適しています。譲渡価格が一定規模を超える案件では、FAの活用が増える傾向にあります。
完全成功報酬制と着手金あり、どちらが有利ですか
一概には言えません。完全成功報酬制は初期費用負担がないため、検討段階で気軽に相談できる利点があります。一方で着手金がある会社は、案件初期から手厚いサポートを受けられる場合があります。総額の手数料水準と、不成約時のリスクを比較して判断してください。
地方の中小企業ですが、大手の仲介会社に依頼できますか
多くの大手仲介会社は地方の中小企業案件にも対応しています。日本M&Aセンターは全国の地方銀行・信用金庫との提携を強みとしており、地方案件の取扱いが豊富です。地域に根ざした名南M&Aや、地方銀行系の信金キャピタルなど、地域特化型の選択肢もあります。
ランキング上位の会社なら安心ですか
ランキング上位の会社は一定の実績と体制を持つ点で安心材料になりますが、自社の業種・規模・目的に合致するかは別問題です。担当者との相性や提案内容の質も含めて、複数社を比較した上で判断することをおすすめします。
セカンドオピニオンは依頼してもよいですか
中小M&Aガイドラインでは、依頼者が他の支援機関に意見を求めることを過度に制限しない旨が示されています。重要な意思決定の前に、別の専門家の意見を聞くことは合理的な判断といえます。専任条項がある契約でも、相談先を法令上の秘密保持義務がある士業や事業承継・引継ぎ支援センターなどに限定する形でセカンドオピニオンを取得できる場合があります。
M&Aコンサル会社の選定は、自社の将来を左右する重要な意思決定です。ランキングや知名度だけで判断せず、自社の業種・規模・目的に合った会社を、複数の評価軸で比較検討してください。無料相談の活用や、中小M&Aガイドラインへの理解を通じて、納得感のあるパートナー選びを進めることが、M&A成功への第一歩です。
まとめ 〜自社に最適なM&Aコンサル会社を見極めるために〜
本記事では、M&Aコンサルティング会社の役割と種類、主要な評価基準、タイプ別の代表的な会社、自社に合う選び方、依頼前のチェックポイントまでを整理しました。重要なのは、仲介型かFA型かという契約形態の違いを理解し、報酬体系(特にレーマン方式の料率基準と最低手数料)と利益相反リスクを踏まえた上で、自社の業種・規模・目的と整合する候補を選ぶことです。上場系大手、金融系・FA系、業界特化型、地域特化型、事業承継特化型のいずれにも強みと制約があり、ランキング上位だけを基準とすると判断を誤る可能性があります。実務的には、無料相談を活用して複数社から提案を受け、専任条項やテール条項の範囲、担当者の経験、M&A支援機関登録制度への登録状況などを比較することが現実的な進め方です。必要に応じて事業承継・引継ぎ支援センターや士業を通じたセカンドオピニオンを取得することも、納得感のある意思決定につながります。まずは2〜3社に相談を持ちかけ、提案内容と費用構造を並べて評価する段階から始めてみてください。














