建設コンサルタント会社ランキング|売上・実績・分野別の主要企業を比較
2026年5月1日

結論から言うと、建設コンサルタントの依頼先候補を効率よく絞り込むには、売上高だけでなく登録部門数・有資格者数・分野別実績の3軸を組み合わせて比較するのが有効です。業界では日本工営(ID&Eホールディングス)、パシフィックコンサルタンツ、建設技術研究所の「BIG3」を中心に、河川・道路・都市計画・環境・上下水道など分野ごとに強みを持つ企業が並びます。本記事では、橋梁更新や再開発、防災計画などの委託検討にあたり、主要プレイヤーの規模感と強み領域を俯瞰し、自社・自部署の案件特性に適した発注先を見極めるための判断軸を整理します。
目次
- ・
- ・
- ・
- ・
- ・
- ・
- ・
建設コンサルタントランキングの見方
建設コンサルタントのランキングは、参照する指標によって順位が大きく変わります。発注先の選定にあたっては、単一の数値ではなく複数の観点を組み合わせて判断するのが望ましいでしょう。
売上高ランキングの意味
売上高は企業規模や受注力を端的に示す指標で、最も一般的に参照されます。
ただし、利益構造や従業員への還元度までは把握できないため、営業利益や事業構成と併せて確認することが望まれます。
有価証券報告書や業界調査など、公表ベースの数値を基に確認することが基本です。
国土交通省の登録部門数で見る総合力
建設コンサルタントの登録は主に土木に関する21の登録部門に分かれており、企業ごとに登録部門の幅が異なります。
河川・砂防、道路、上下水道、港湾・空港、都市計画、建設環境、地質、トンネルなど、扱う分野は多岐にわたります。
登録部門数が多い企業は総合的な対応力を持ち、複合的な課題に対応できる一方、特定部門に絞った専門特化型の企業も存在します。
技術士・RCCM等の有資格者数
業界では、技術士やRCCM(シビルコンサルティングマネージャ)の保有者数が組織の技術力を測る指標として重視されます。技術士は国家資格であり、建設コンサルタント業務の主要な技術者資格の一つとして、業務の管理技術者要件にもなります。
公共事業の入札では技術者数や有資格者数が評価点に直結する場合があり、企業の競争力を示す重要な要素として参照されます。
売上高で見る大手建設コンサルタント上位企業
業界では「BIG3」と呼ばれる大手3社を中心に、売上高ランキングが構成されます。ここでは公表資料に基づく主要企業の特徴を整理します。
なお、数値や順位は決算期や調査時点で変動するため、最新情報の確認が必要です。
日本工営、建設技術研究所、パシフィックコンサルタンツ など主要企業の特徴
ID&Eホールディングス(旧:日本工営)は1946年創業の業界最大手で、2024年6月期のグループ連結売上収益は1,608億円、従業員数6,762人、グループ会社数88社という規模に達しています。160以上の国と地域での実績を持ち、海外売上比率は約40%と海外事業比率の高さと総合力が特徴です。
建設技術研究所は、創立から70年以上の歴史を持つ老舗で、河川・水工分野で長年トップクラスの実績を誇るとされます。流域・国土、交通・都市、環境・社会、建設マネジメントといった事業領域で展開しています。
パシフィックコンサルタンツは、国土保全、交通、防災、まちづくり、環境など幅広い分野でインフラコンサルティングを提供しており、PFI・PPPアドバイザリーで国内有数の実績を持つとされます。
各社の強み領域(道路・河川・港湾・都市計画・海外案件)
大手以外にも、特色ある企業が上位に並びます。オリエンタルコンサルタンツは橋梁・道路・都市計画・交通分野で実績を持ち、海外事業はグループ会社のオリエンタルコンサルタンツグローバルが担当しています。
八千代エンジニヤリングは、河川・砂防および海岸海洋分野を主軸に、都市・地域計画や水資源管理にも強みを持ちます。
パスコは測量・地理空間情報・GIS分野で主要プレイヤーの一つに位置づけられます。
分野別に強い建設コンサルタント
分野別ランキングを参照すると、売上高では上位に入らない企業でも特定領域で高いシェアを占めるケースがあります。自社案件に近い分野での実績を確認することで、適合性の高い候補を絞り込めます。
インフラ・公共土木に強い企業
道路分野では、業界調査でパシフィックコンサルタンツが上位の実績を継続的に示しているとされます。橋梁・鋼構造分野では、長大や大日本ダイヤコンサルタントが強みを発揮しているとの報告があります。
河川・砂防分野では建設技術研究所が長年トップクラスの実績を持つとされ、八千代エンジニヤリングやパシフィックコンサルタンツも有力候補に挙がります。
港湾・空港分野では日本工営とパシフィックコンサルタンツが拮抗するとの調査結果も見られます。
都市開発・建築系に強い企業
都市計画・地方計画では、オオバ、パスコ、日本工営都市空間、オリエンタルコンサルタンツなどが代表的です。再開発、駅前広場整備、地域マスタープラン策定、エリアマネジメントなど、地域固有の課題への対応力が問われます。
鉄道分野では、JR東日本コンサルタンツやジェイアール東海コンサルタンツなど、鉄道事業者グループの企業が存在感を示します。
環境・防災・DX領域に強い企業
建設環境分野では、いであや日本工営、パシフィックコンサルタンツが上位に位置づけられることが多いとされます。環境影響評価、気候変動対応、脱炭素関連の計画策定などのテーマが拡大しています。
上下水道分野では日水コンとNJSが代表的な存在として知られ、自治体の水インフラ更新や官民連携案件で実績を積み重ねています。
地質調査・防災分野では応用地質が、空間情報・GIS分野ではパスコや国際航業が強みを持ちます。
建設コンサルタントの選び方
適切なパートナーの選定には、自社案件と各社の強みの適合性を確認することが鍵となります。売上規模だけで判断すると、専門性のミスマッチが生じる可能性があります。
案件規模と発注形態に合わせた選定
大規模・複合的な案件では総合力のある大手が適している一方、専門性が高い案件や中規模の地域案件では、中堅・専門特化型の企業が高い成果を出すケースもあります。
発注形態については、プロポーザル方式、総合評価落札方式、価格競争方式があり、案件特性に応じて使い分けが必要です。
プロポーザル方式では提案者の実績や経験が重視されるため、過去の類似案件実績を持つ企業が有利になる傾向があります。
地域性・地場ネットワークの重要性
地方案件では、地域に根ざした中堅・地域系コンサルタントが強みを発揮する場合があります。行政との関係構築や地域特有の地形・気候への理解、地元自治体との協議実績などが評価されるためです。
全国対応の大手か、地域密着の地場企業か、案件の性質に応じた選択が望まれます。
入札参加資格と過去実績の確認ポイント
公共発注では、入札参加資格の保有や過去の同種業務実績、配置予定技術者の資格・経験などが評価対象となります。技術士やRCCMの保有状況、対象部門での登録状況を事前に確認することが重要です。
民間発注の場合は、価格や納期、提案内容の柔軟性、コミュニケーション体制なども重視される傾向があります。
発注前に確認すべき契約・体制面の論点
発注に先立ち、以下の点を整理しておくと候補比較がスムーズに進みます。
事業の目的・スコープ(調査のみか、設計・監理まで含むか)、対象分野と必要な技術部門、スケジュールと予算規模、類似案件での実績、担当予定者の経験と資格、体制図とプロジェクト管理方法、といった項目です。
近年はPPP/PFIによる官民連携事業や、BIM/CIM、AI、データ解析を活用したDX対応力が差別化要素となっています。
維持管理段階を含む包括的なサービス提供を求める場合は、これらへの対応実績を確認するとよいでしょう。たとえばパシフィックコンサルタンツはPFI・PPPアドバイザリーやDXソリューション開発で実績を持つとされ、官民連携の検討先として候補に挙がります。
長期的な維持管理を見据える場合は、継続的に関与できる体制と財務的な安定性も確認しておくと安心です。
自治体インフラ担当者・事業企画担当者におすすめの建設コンサルティング一覧!
よくある質問(FAQ)
日本の三大建設コンサルタントはどこですか
売上規模で見ると、日本工営(ID&Eホールディングス)、パシフィックコンサルタンツ、建設技術研究所の3社が長年の上位企業として挙げられることが多く、業界ではBIG3と呼ばれることがあります。
建設コンサルタントとゼネコンはどう違いますか
建設コンサルタントは計画・調査・設計・監理を担い、ゼネコンは実際の施工を担当します。公共事業では設計と施工が分離されるのが原則で、両者は補完関係にあります。
ランキングは何を基準に作られていますか
多くは売上高ベースですが、業界誌調査では業務分野別の業務額ランキングや、技術者数、決算データを組み合わせた評価も公表されています。複数の指標を併せて参照することで、より立体的な比較が可能になります。
建設コンサルタント会社の選定で重視すべき点は何ですか
分野別の実績、技術者の専門性、対応地域、提案内容と価格のバランスが基本的な比較軸です。長期にわたる維持管理を見据える場合は、継続的に関与できる体制と財務的な安定性も確認しておくと安心です。
中堅や専門特化型の企業を選ぶメリットはありますか
専門分野での深い知見や、地域に密着したきめ細かな対応、コスト面での柔軟性などが期待できます。案件規模や求める専門性に応じて、大手と中堅・専門特化型を比較検討することが望まれます。
まとめ 建設コンサルタント選定の判断軸を整理する
建設コンサルタント業界は、売上規模で上位に立つ大手と、特定分野や地域で高いシェアを持つ中堅・専門特化型企業がそれぞれ存在感を示す構造です。BIG3と呼ばれる日本工営(ID&Eホールディングス)、パシフィックコンサルタンツ、建設技術研究所は総合力と海外実績で上位に位置づけられる一方、河川・砂防、橋梁、上下水道、環境、GISなど分野別に見ると、八千代エンジニヤリング、長大、日水コン、NJS、応用地質、パスコといった企業が有力候補となります。発注先を絞り込む際は、売上高に加えて登録部門数、技術士・RCCM等の有資格者数、類似案件の実績、地域対応力を組み合わせて評価することが望まれます。橋梁更新や再開発、防災計画といった案件特性に応じて、総合力重視か専門特化型かの方針を定めたうえで、プロポーザル方式や総合評価落札方式など発注形態との適合性も確認するとよいでしょう。まずは自部署の案件スコープと必要技術部門を整理し、本記事で示した複数の指標をもとに3〜5社程度の候補リストを作成することが、効率的な選定の第一歩となります。














