複式簿記とは?複式簿記対応の会計ソフト4選も紹介!!

企業や家庭での会計処理をする際に必ず必要になるのが、簿記です。その簿記の中でも今回取り上げるのは「複式簿記」。家計簿を処理する際にも便利な無料で使える複式簿記のソフトを、徹底紹介していきます!

複式簿記とは

複式簿記とは、「取引の原因と結果の両方を記帳する簿記」のことです。一般的な家計簿やお小遣い帳では、収入と支出、残高のみの記帳で、最終的な残高と取引内容のみが分かるようにしてあります。これを「単式簿記」と言いますが、「複式簿記」の場合は、その収支の支払方法、受け取り方法、原因、までも記帳することが出来るのです。

そのため、日本の企業では必ずと言っていいほど複式簿記が使われています。企業の決算時には「財務諸表を作成して公表する」という行為が行われ、そのために有効なのが複式簿記だからです。

複式簿記の記入方法

複式簿記は「借方」「貸方」の2つの項目を用いて記入します。表の左側が「借方」右側が「貸方」となり、全ての科目の借方と貸方の金額はぴったりと合わなければいけないように、出来ているのです。科目というのは複式簿記では「勘定科目」と呼ばれ、内訳のようなものです。

無数の勘定科目を用いて、収支を記帳していくのが複式簿記の特徴です。借方の金額が発生するには、何らかの理由があり、その借方と対になる貸方の金額が、どの勘定科目に入るのか?を記帳し続けていくのが、複式簿記なのです。

水道代、10,000円を現金で支払った場合の記帳はこのようになります。単式簿記ではどのような方法で支払たのかを把握することは出来ませんが、複式簿記ではそれが可能なのです。

複式簿記と単式簿記の違いとは

複式簿記

複式簿記は常に「借方」「貸方」の対になって記帳されていきます。もう1つ例を挙げると、以下の通りです。

これは、会社の商品10,000円が現金で売り上げられた時に記帳する例です。「現金10,000円が入ってきた理由は?」と対になる勘定科目を遡った時に、「売上」だと分かる。結果も分かりますし、その原因を知る事も出来ます。これが複式簿記の凄さです。

会社経営をしていると、「売掛金」などで商品を販売することも多いです。その際に手元には現金が残らないため、売掛金の残高が分からなくなります。しかし複式簿記では「10,000円の売掛金がある」という結果を記帳しておくことが出来るのです。取引方法が複雑になれば、間違いなく複式簿記で財務管理することは有効な方法です。

単式簿記

一方の単式簿記ですが、同様に商品10,000円分を売り上げた場合の記帳はこのようになります。

元々、残高が10,000円あり、そこに売上金の10,000円の収入が入る。すると残高は、20,000円です。残高も簡単に分かり、収支が一目で見られるのが単式簿記のいいところです。しかし、この収入が「どのような方法で受け取られたのか?」を知ることは出来ません。前述したような、売掛金で売上を立てていた場合は、手元に現金が残らないため、管理が逆に複雑化する恐れもあるのです。

あまり、取引方法がないケースであったり、収支の内訳を決算時に公表しなくてもいい場合であれば、単式簿記で十分ですが、企業会計の様に内訳が複雑化している場合は、複式簿記を利用するのがおすすめです。

複式簿記を家計簿で使うメリット

・帳簿の間違いを素早く見つけることが出来る

家計簿で複式簿記を付けるメリットの1つ目は、「間違いを見つけやすい」ということです。複式簿記は借方と貸方で記帳されており、前述したように、借方と貸方の金額は常に同じ金額でなければいけません。ここで、借方と貸方で金額の不一致があった場合、原因を探る過程で、間違いに早く気が付くことが出来るのが、複式簿記のメリットです。

単式簿記では、残高が分かるだけで、どこに間違いが起こっているのかが不透明になってしまいがちです。

・取引内容をもれなく記帳できる

家計簿を複式簿記で付けるメリットの2つ目は「取引内容をもれなく記帳できる」ということです。複式簿記では例に挙げたように、現金以外の収入予定額を記帳しておくことも可能です。企業間の取引では、そういった取引内容もきちんと記しておくことが大原則です。

まだ現金収入として計上されていない取引までも管理することで、双方の信頼関係を向上させ、誠実な取引を確実に行えるようになります。曖昧なままでは進められない仕組みになっているのが、複式簿記です。これは、家計簿の取引でも同様のことが言えるでしょう。

・細分化した収支を確認できる

家計簿を複式簿記で付けるメリットの3つ目は「細分化した収支を確認できること」です。企業間の取引はもちろん、家庭での取引でも、資産の移動には様々な理由があります。水道光熱費の支払いはどのように行ったか、最終的に手元に現金はどれくらい残るのか?ローンは今いくらあって、いつぐらいまでに払い終えられるのか?それに対する資本は手元にどんな形で残っているのか?

ここまで、細分化しで収支を確認できることは、家計簿をつけるにあたって、かなり有効なのではないでしょうか?どんぶり勘定になりにくいのが、複式簿記を取り入れるメリットです。

複式簿記の家計簿をエクセルで作成する方法

エクセルで複式簿記家計簿を作成する場合は、2つのシートで行います。「仕分」「科目」の2シートです。仕分けシートに実際の取引を記帳していきます。前述したように、複式簿記のため「借方」「貸方」で左右に分け、さらに「取引先摘要欄」「日付蘭」などを設けます。そして、もう一つ「科目CD」の欄を作っておきましょう。

次に、科目のシートに移り、ここで勘定科目を設定していきます。

このように、科目CDをグループ別に設定し、細分化していきます。さらに、以下の様に細分化して、科目CDを設定しましょう。以下は資産の科目を細分化してみました。

あとは、細分化した科目CDを使いながら、仕分けのシートに入力をしていくのみです。ただし、必ず借方金額と貸方金額が合うように入力していきましょう。こうして、科目CDを設定しておくことで、集計の際の作業がひと手間簡単になります。

家計簿でも使える複式帳簿に対応している会計ソフト

・クラウド会計ソフトfreee

出典:公式サイト

機能

クラウド会計ソフトfreeeは会計ソフトをはじめて扱われる方でも問題なく使いやすいソフトです。会計ソフト初心者の方にはガイド付きの入力画面があるため、分からなくなることがありません。

ご自身で確定申告をされる場合でも、いくつかの質問に答えるだけで、必要書類は全て作成できるので、全く会計に詳しくない方でも、気軽に使いやすいソフトになります。電子申告にも対応しているので、控除の上乗せをしたい方にはうってつけのソフトと言えるでしょう。

特徴

・ガイド付きで簡単に入力

・口座とデータの連携を行うことが可能なため、支払処理の管理が圧倒的にスムーズ

スマホアプリでスマホからの入力も対応

確定申告もやりやすく、初心者向けのソフト

料金

・スターター 980円/月 チャットメールサポート

・スタンダード 1980円/月 チャット優先サポート

・プレミアム 3316円/月 電話サポート

・やよいの青色申告

出典:やよいの青色申告

機能

やよいの青色申告は、簡単に複式簿記の入力ができるため、非常に便利です。1つ1つの取引を専用フォーマットに1つずつ入力していき、あとはボタン1つで簡単に表にまとめてくれるので、初心者でも簡単に使いやすいのがポイントです。

確定申告に必要な帳票もボタン1つで簡単作成してくれるので、知識が全くない方でも、間違えることがありません。項目も自分で自由に決めやすいので、家庭で使うのにもばっちりでしょう。

特徴

・パッケージ版とオンライン版がある

→パッケージ版は購入時に料金がかかるだけですが、アップデートを行わなければ、最新の税制などに対応できなくなります。

→オンライン版であれば、常に最新のソフトを活用することが可能です。e-Taxへのアクセスも簡単で、確定申告時に気軽に青色申告をしやすいソフトです。

料金

・セルフプラン 初年度無料 2年目以降 8,000円/年

・ベーシックプラン 初年度6,000円/年 2年目以降 12,000円/年

・トータルプラン 初年度10,000円/年 2年目以降 20,000円/年(事業相談付き)

・らくらく印刷家計簿作成

出典:らくらく印刷家計簿作成

機能

らくらく印刷家計簿作成を使うと、お金の収支を簡単に把握することが出来ます。パソコンは苦手だけど、きちんとお金の管理をしたいと考えられている方には向いているでしょう。

また、収支状況を表にまとめたり、グラフにまとめたりして、そのまま印刷できるため、手元に書面として残しておかれたい方にはピッタリのソフトです。貯蓄にどれだけ回そうか事前に考えることも出来る機能が充実しています。

特徴

パソコンを触るのも苦手な方にでもおすすめできる

・操作がとにかく簡単

・確定申告などには対応していない

料金

・パッケージ版 3,800円

・ファイナンシャルプランナーが作った家計簿3

出典:ファイナンシャルプランナーが作った家計簿3

機能

ファイナンシャルプランナーが作った家計簿3は予算の残高と、収入額が一目で見て分かりやすい機能がポイントです。あとどれくらいお金を使えるのかが、素早く分かるのは、主婦にとって強い味方になるでしょう。

また、10年以上先の未来をシミュレーションし、家計全体がどうなるのかを予測する機能も付いています。今後の見通しを把握しておきたい方には魅力的なソフトになります。Webと連動させることで、全国平均との比較も出来るので、予算を削れる部分が明確化されやすいでしょう。

特徴

・収支の入力の際に店名、項目名、などまで細分化して入力することが可能

購入した商品の分類も可能

→どんな商品にどれくらいの予算を使ったのかを一目で把握できます。

・商品の絞り込みと細分化で1品当たりの最高値や最安値を比較することも可能

料金

・パッケージ版 2,900円(無料体験版あり)

まとめ

というわけで、今回は複式簿記を活用して家計簿をつける簡単な方法をご紹介してきました。エクセルなどを用いて無料で作成する方法もいいですが、一番簡単なのは有料の会計ソフトを使って処理する方法です。複式簿記を用いて家計管理をすると、今まで発見できなかった、無駄をスピーディーに発見することに繋がる可能性も高いです。多少手間な事もありますが、今すぐに取り入れてみられてはいかがでしょうか?