【法人口座】ネット銀行と都市銀行との違いを徹底解説!

Last Updated on 2024-05-10 by プロキュア編集部

起業の際は法人口座を作ることが一般的です。法人口座はネット銀行と都市銀行で作ることができますが、特に起業したばかり、また実績のない企業にとってはネット銀行がおすすめです。

ここではその理由を詳しく説明していきます。

【比較表】ネット銀行・都市銀行を徹底比較!

ネット銀行都市銀行
特徴・実店舗や通帳がない
・ネットでの取引
・ATMカードはコンビニのATMなどで利用可能
・店舗がある
・口座開設の審査が厳格
・融資などさまざまなサービスがある
メリット・振込手数料など費用をおさえられる
・WEBや郵送で全て手続きが終わる
・同じネット銀行であれば24時間365日送金可能
・窓口で相談できる
・融資を受け取ることもある
・取引銀行が大手なら評価があがる
デメリット・口座振替に利用できない可能性あり
・銀行名が知られていない可能性もあり
・振込手数料がネット銀行に比べて割高
・口座開設に窓口まで行く必要がある
審査の通りやすさ都市銀行の法人口座と比較すると、ネット銀行の法人口座は審査が通りやすいネット銀行と比べて審査が厳しいことが多い
向いている企業実績のない起業したばかりの企業すでに実績がありさらに拡大を狙う企業
1か月にかかる経費の目安2,000~3000円10,000円~12,000円

ネット銀行と都市銀行の『特徴』を比較

ネット銀行の特徴

ネット銀行は、都市銀行などのように店舗や自社のATMがありません。振込などは全てネットで行い、コンビニのATMで引出しをすることができます。これらのことから、人件費が都市銀行に比べてかからないため、振込手数料などが安いことが大きなメリットです。

国内の主なネット銀行

・GMOあおぞらネット銀行

GMOインターネットとあおぞら銀行が出資をしている、2018年創立とまだ新しい銀行です。

・ジャパンネット銀行

ネット銀行の中でも最初に誕生した銀行で、Tポイントと連携をしています。

・楽天銀行

楽天銀行を使うことで、楽天スーパーポイントを貯められる特徴があります。

・ソニー銀行

ネット銀行で外資預金をお考えの場合は、ソニーフィナンシャルグループの一員であるソニー銀行がおすすめです。

都市銀行の特徴

都市銀行はブランド力があり、取引先銀行に都市銀行の名前があるとクライアントからの評価が高くなります。また店舗にて融資を受けたり、さまざまな相談をすることができます。

その一方、最近では詐欺が増えていることから、法人口座の審査が厳しくなっています。さらに振込手数料が高いなどのデメリットも見られます。

この特徴からも都市銀行はある程度の実績のある会社の方が向いており、まだ設立したばかりの実績のない企業には向いていないと言えるでしょう。

ネット銀行と都市銀行の『メリット・デメリット』を比較

さまざまな銀行で、法人口座を作ることができますがここではネット銀行と都市銀行のメリット・デメリットを比較していきます。それぞれが対照的な特徴であることがわかります。

メリットやデメリットを把握して、自社に向いているのはネット銀行なのか都市銀行なのか判断をしましょう。

ネット銀行のメリット

メリット1 手数料の安さ

ネット銀行の大きなメリットは、振込手数料など手数料が安いことです。また多くのネット銀行で、振込手数料が無料になるサービスがあります。特に毎月多くの振込先がある場合は、コスト削減につながります。

例えば、3万円以上他の銀行に振込をする場合の手数料は以下のようになります。1件の振込手数料で500円前後違うことがわかるでしょう。

主なネット銀行の振込手数料

GMOあおぞらネット銀行PayPay銀行住信SBI楽天銀行ソニー銀行
振込手数料3万円以上(他行)129円160円130円229円110円
※GMOあおぞらネット銀行については、「振込料金とくとく会員」利用時の手数料を記載。

※住信SBIネット銀行については、振込優遇プログラムを利用時の手数料最安値を記載。

主な都市銀行の振込手数料

三井住友銀行三菱UFJ銀行みずほ銀行りそな銀行
振込手数料3万円以上(他行)770円650円660円605円

メリット2 24時間365日ネット上で取引が可能

ネット銀行ではネットを利用しているため、24時間365日取引ができます。深夜であっても振込の手続きをしておけば、翌営業日に振り込まれます。一方、都市銀行は明日振込予定の場合、明日銀行の窓口に行く必要があり、振込だけに予定をあける必要があります。

また、都市銀行でもネットバンキングを利用でき、その場合は24時間365日取引できます。ただし都市銀行のネットバンキングの場合、月額費用が発生します。

また都市銀行のネットバンキングでは、営業時間以外の振込は次営業日以降の予約送金になりますが、ネット銀行では同銀行宛てなら24時間365日送金が可能です。

メリット3 定額自動振り込みなどの法人向けサービスも利用可能

毎月の支払いがある場合、定額自動振り込みを使うと毎年銀行に振込に行かなくて良いので便利です。その他にも、同じ企業で複数の口座を作れたり、ビジネスデビットカードを作れたり、様々な法人向けサービスを利用することができます。

さらに残高によって振込手数料が一定回数無料になる、ATM利用手数料が無料に一定回数なるなど、コスト削減につながるサービスも豊富です。

ネット銀行のデメリット

デメリット1 社会的な認知度の低さ

都市銀行と比べて、ネット銀行はまだまだ社会的に認知されていないケースがあります。実際、ネット銀行の先駆け的存在であるPayPay銀行でも誕生したのは2000年以降です。企業概要で取引先銀行を記載することが多いのですが、都市銀行である方がクライアントからの評価が高くなることがあります。

デメリット2 口座振替対象外のケースも

さまざまな口座振替サービスの中で、ネット銀行は口座振替対象外のケースもあります。そのため口座振替に使う場合は、対象であるかどうかの確認をすることが必要です。

都市銀行であれば、ほとんどの口座を利用することができるのですがネット銀行は対象であるとは限りません。公共料金の振替口座がネット銀行が対象でないケースもあります。

都市銀行のメリット

メリット1 知名度の高さ

都市銀行をメインバンクにしておくと、全国的なネームバリューがあり知名度が高いためクライアントからの評価が高くなることがあります。また都市銀行で法人口座を開設するためには、審査が厳しいことはよく知られており、銀行口座を持っているだけでクライアントからの評価が高くなるのです。

メリット2 高額な融資に対応

銀行での実績や資本金、売上金があると高額な融資に対応してくれる時があります。そのため支店を増やすときや、新事業を起こす時など都市銀行を使っていた方が便利になることがあります。

都市銀行のデメリット

デメリット1 振込手数料が割高

都市銀行は他行への振込にかかる手数料が割高です。例えば、三井住友銀行の他行への振込み手数料は以下のようになっています。3万円以上振込をする場合は、1件の振込で440円~770円必要になります。

例)三井住友銀行の他行への振込手数料

窓口ATM(現金)ATM(法人口座)ネットバンキング
振込手数料3万円未満(他行)605円385円275円495円
振込手数料3万円以上(他行)770円550円440円660円

振込手数料が110円~229円のネット銀行と比較しても都市銀行との振込手数料は割安であることがわかります。

GMOあおぞらネット銀行ジャパンネット住信SBI楽天銀行ソニー銀行
振込手数料3万円未満(他行)129円160円130円150円110円
振込手数料3万円以上(他行)129円160円130円229円110円
※GMOあおぞらネット銀行については、「振込料金とくとく会員」利用時の手数料を記載。

※住信SBIネット銀行については、振込優遇プログラムを利用時の手数料最安値を記載。

デメリット2 ネットバンキングの利用に別料金が発生

都市銀行でもネットバンキングを利用することができますが、月額料金が発生します

三井住友銀行三菱UFJ銀行みずほ銀行りそな銀行ゆうちょBizダイレクト
月額料金2,200円1,760円5,500円3,300円550円~

ネット銀行であれば月額料金はほとんど無料となるため高く感じることもあるでしょう。

デメリット3 審査が厳しい

都市銀行の法人口座は、詐欺等に利用されるケースが増え、これまで以上に審査が厳しくなっています。以下の書類を揃えて審査してもらう必要があるのですが、厳格になっていることは否めません。

  • 履歴事項全部証明書
  • 印鑑証明書
  • 代表者の身分証明書
  • 代表者個人の実印・印鑑証明書
  • 法律設立届出書の控え
  • 経営実態がわかる会社のホームページやパンフレットなどの資料

ネット銀行でも法人口座は同じような書類が必要で審査もありますが、都市銀行は一般的にさらに厳格な審査が行われています。

ネット銀行と都市銀行の『審査』を比較

都市銀行の審査

都市銀行で法人口座の申し込みをする場合、必要書類が多く審査に2週間ほど必要になります。そのため、申し込みをする場合は早めに書類の準備をすることが大切です。

また、昨今法人口座を使ったマネー・ローンダリングなどの詐欺が多いことからも、これまで以上に審査が通りにくい現状となっています。

実際に、法人口座を申し込んで開設できなかったケースは数多く見られます。特にまだ実績のない企業にとっては、都市銀行の法人口座は必ず開設できるわけではないのです。

都市銀行での口座開設の審査に落ちてしまう主な理由

事業内容が明確でない

事業内容が曖昧な場合は、口座開設の審査に落ちやすい理由となります。審査の際に会社パンフレットやホームページ、その他資料などを使って事業内容を明確にする必要があります。特に新しい事業をしている場合は、初めて聞く人に対しても分かりやすく説明することが大切です。

固定電話や固定オフィスがない

起業したばかりのベンチャー起業であれば、固定電話や固定オフィスがない場合があります。電話は携帯電話だけ、事務所はコワーキングスペースなどのレンタルスペースを借りて開業することはできるのですが、ダミー会社とみなされてしまう可能性もあります。

資本金や実績が少ない

現在の会社法では、資本金が1円でも株式会社を設立することができます。しかし、資本金が少なく実績が足りない場合は審査に落ちる可能性があります。銀行は小切手や手形を決済するケースがあるのですが、支払い期限に決済できないと判断されると大変なことになるため支払い能力は重要なポイントとなっているのです。

個人口座を法人口座代わりに使うのは危険

法人口座がなければ会社法にひっかかるというわけではありません。個人口座のままでも会社経営は可能です。しかし、法人口座のない企業は取引先に信用してもらえない可能性があります。

特に大手企業は情報漏洩などの観点から個人事業主とは取引をしないケースがあります。たとえ法人であっても、法人口座がない場合は法人とみなされない可能性があります。

ネット銀行の審査

ネット銀行であっても法人口座であれば都市銀行と同じように審査が必要になります。しかし都市銀行ほど厳格ではなく、必要書類も例えばGMOあおぞらネット銀行であれば以下の3点のみです。(代表者と取引責任者が同じ場合のみ)

  • 法人番号の確認書類
  • 取引責任者の本人確認書類
  • 事業内容等が確認できる書類

いずれも取得するのに時間のかかる書類はなく、注意点としては事業内容がはっきりとわかるパンフレットなどが必要なことだけでしょう。

ネット銀行・都市銀行が『向いている企業』を比較

ネット銀行での口座開設がおすすめな企業

ネット銀行は月間手数料が無料で、振込手数料が少ないことが大きな特徴です。また、法人口座を作るための審査が都市銀行ほど厳しいわけでないため、まだ実績のないできたばかりの企業は、ネット銀行がおすすめです。加えて、余剰資金がまだ十分でない状態の企業にとってもネット銀行はありがたい存在だといえます。

直接来店をすることなく、ネットや郵送だけで口座開設をすることができるので駅近など立地の良い場所にない企業にもおすすめです。

都市銀行での口座開設がおすすめな企業

都市銀行は法人口座をつくるために必要書類が多く、審査も厳格になっています。審査に通らない理由としては、事業内容が明確でない事や、資本金が少ないなどがあげられるため、ある程度実績のある企業におすすめと言えるでしょう。

都市銀行の大きなメリットとして、取引銀行に大手銀行を書くことによりクライアントの評価をあげることができます。また融資などさまざまな相談を窓口ですることもできます。そのためある程度実績のある企業がさらに会社を拡大する時などにもおすすめです。

ネット銀行・都市銀行ネットバンキングの『1か月にかかる経費』を比較

<都市銀行ネットバンキングの『1か月にかかる経費』>

みずほ銀行三井住友銀行
月額利用料5,500円2,200円
同銀行内の取引が10件
(うち半数が3万円以上)
3,300円3,300円
他銀行への振込が10件
(うち半数が3万円以上)
5,750円5,775円
1か月手数料合計14,550円11,275円

<ネット銀行の『1か月にかかる経費』>

GMOあおぞらネット銀行銀行
月額利用料500円無料
同銀行内の取引が10件
(うち半数が3万円以上)
0円550円
他銀行への振込が10件
(うち半数が3万円以上)
1,290円1,600円
1か月手数料合計1,790円2,150円
※GMOあおぞらネット銀行については、「振込料金とくとく会員」利用時の手数料を記載。

上表のように、都市銀行に比べてネット銀行は月額利用料が少額である他、振込手数料が大きく違うため1ヵ月で経費に1万円前後の差が出ます。上表は取引が同銀行内10件、他銀行が10件と想定していますが、これ以上の取引がある場合はさらに差が出ることがわかります。

中でも特に「GMOあおぞらネット銀行」が経費節減につながる、おすすめの銀行であることがわかります。

最もおすすめするのは「GMOあおぞらネット銀行」

GMOあおぞらネット銀行」はバーチャル口座を無料で利用できる点が大きな魅力です。そのため、多くの口座が必要であってもコストがかからないのです。他の銀行はCAPEX、OPEXともにかかるところが多いことを考えても、GMOおおぞらネット銀行が魅力であることがわかります。

月額利用料金500円を支払い「振込会員とくとく会員」を利用することにより、振込手数料などがお得になることが多いでしょう。

サービス通常振込料金とくとく会員
他の銀行への振込手数料145円129円
ATMでの出金手数料110円月5回まで無料

振込会員とくとく会員」について詳しく知りたい方は、無料で資料ダウンロードができますので、是非ご利用ください。

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まとめ

法人口座は都市銀行、ネット銀行いずれでも作ることができますがそれぞれにメリットデメリットがあります。都市銀行は名前が知られていること、また窓口でサービスを受けることができる点が魅力です。

ネット銀行は月額費が少額で、振込手数料も都市銀行と比較しても安くコストを抑えられることが魅力です。