建設コンサルティング会社ランキング|売上・実績・領域別の主要企業を比較
2026年4月27日

結論から言うと、建設コンサルティング会社を比較検討する際は、売上規模だけでなく「得意領域」「技術者数(技術士・RCCM保有者数)」「発注者属性との適合性」の3軸で見ることが、自社案件に適した依頼先を絞り込む近道です。専門知識が十分にない状態で複数社を比較する場合、単一のランキングで判断すると分野ミスマッチが起こりやすいためです。本記事では、主要企業の概要を客観指標で俯瞰しつつ、領域別の有力候補や選定時の確認ポイントを整理して解説します。なお、ランキング数値や企業情報は公開資料に基づく時点情報であり、参照時期によって変動する点にご留意ください。
目次
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建設コンサルティング会社ランキングの見方
ランキングを参照する際は、何を基準に順位付けされているかを確認することが重要です。指標により上位企業の顔ぶれが変わるためです。
売上高・営業利益などの財務指標
最も一般的な指標は売上高です。企業規模や受注力を端的に示しますが、利益構造や従業員への還元度までは把握できません。
営業利益や売上総利益率を併せて見ることで、収益性を評価できます。有価証券報告書や日経コンストラクションなどの業界調査が公開する数値が代表的な情報源です。
技術者数(技術士・RCCM保有者数)
建設コンサルタント業界では、有資格者の人数が組織の技術力を測る指標として重視されます。技術士は国家資格として最も評価が高く、業務の管理技術者要件にもなります。RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)は建設コンサルタンツ協会が認定する民間資格です。
公共事業の入札では技術者数や資格保有者数が評価点に直結する場合があり、企業の競争力を示す指標として参照されます。
得意領域
建設コンサルタントの登録は21部門に分かれており、企業ごとに強い分野が異なります。河川・砂防、道路、上下水道、鉄道、港湾・空港、都市計画、建設環境などの分野別実績を確認することで、自社の課題に合う候補を絞り込めます。
建設コンサルティング会社 売上高ランキング上位企業
以下は公開資料に基づく主要建設コンサルタント企業の概要です。順位は時点情報であり、参照する調査・期によって変動します。
ID&Eホールディングス(旧:日本工営)
1946年創業の業界最大手です。2024年6月期のグループ連結売上収益は約1,589億円規模で、国内の総合建設コンサルティング業界を牽引する存在として知られます。160以上の国・地域での実績を持ち、土木全般、水圏環境、都市・交通計画、防災、エネルギーなど幅広い分野を扱います。
海外事業比率の高さと総合力が特徴で、日本工営グループとして1,000人を超える技術士が在籍するとされます。
パシフィックコンサルタンツ
1951年創立。国土保全、交通、防災、まちづくり、環境など多岐にわたる分野でインフラコンサルティングを提供しています。PFI・PPP分野のアドバイザリー実績で国内有数の地位にあるとされます。
道路・交通分野や都市インフラの大型プロジェクトに強みを持ち、グローバル展開も進めています。インフラビジネス領域の強化やDXソリューション開発にも注力しています。
建設技術研究所
創立から70年以上の歴史を持つ老舗の総合建設コンサルタントです。流域・国土事業、交通・都市事業、環境・社会事業、建設マネジメント事業の4部門を展開しています。
特に河川・水工分野で長年の実績を有し、流域全体の総合的なマネジメントを得意としています。
オリエンタルコンサルタンツ
1957年設立。ホールディングス体制を採用し、グループとして社会インフラ整備を幅広く手掛けています。橋梁、道路、都市計画、交通、河川、防災など多分野で実績を積み重ねてきました。
海外事業はグループ会社のオリエンタルコンサルタンツグローバルが担当し、ODA案件などで存在感を示しています。
八千代エンジニヤリング
1963年設立。河川・砂防および海岸海洋分野を主軸に、道路、電気・電子、建設環境など多岐にわたる分野で技術を提供しています。都市・地域計画や水資源管理にも強みを持ちます。
国土交通大臣登録の主要な建設コンサルタント部門を幅広く保有し、これまでに約150の国と地域でのプロジェクト実績があります。AI解析やクラウド設備保全システムなど、先進的な技術開発にも取り組んでいます。
日水コン
1959年創業の上下水道分野のスペシャリストです。「水の総合コンサルタント」として、上水道・工業用水道・下水道の計画・設計を中核業務としています。水分野では国内屈指の存在感を持ちます。
エイト日本技術開発
2009年にエイトコンサルタントと日本技術開発が統合して誕生した企業です。E・Jホールディングスの中核会社として、道路・交通、河川・港湾、都市・環境・建築、維持管理など幅広い分野を扱います。岡山に本店を置き、東京以外に本店を持つ大手としても特徴があります。
長大
橋梁分野での実績が豊富な総合建設コンサルタントです。明石海峡大橋など長大橋への関与実績で知られ、近年はエネルギー事業や新規事業領域への展開も進めています。
国土強靭化、道路、交通・ITS、港湾・河川・水工、まちづくり、PPP/PFIなど幅広い事業領域をカバーし、グループ会社との連携で一気通貫のサービスを提供しています。
いであ
環境分野でトップクラスのコンサルティング力を持つ企業です。国土環境系と河川・道路系の合併で誕生した経緯があり、環境調査、生態系保全、気象解析など環境関連業務に強みを示します。
建設コンサルタントと環境コンサルタントを社内で一貫して提供できる総合力があり、NETIS登録技術や特許など独自技術も保有しています。
領域別の主要建設コンサルティング会社
分野別に強みを持つ企業を整理することで、自社案件に近い候補を見つけられます。
道路・橋梁分野
道路分野はパシフィックコンサルタンツ、日本工営、オリエンタルコンサルタンツなどが上位に位置します。橋梁では長大やオリエンタルコンサルタンツ、大日本ダイヤコンサルタント(旧大日本コンサルタント)が強みを発揮します。
橋梁の点検・補修・耐震補強といった維持管理ニーズの高まりに伴い、関連実績を持つ各社の役割が広がっています。
河川・ダム・上下水道分野
河川・砂防分野では建設技術研究所が長年トップクラスの実績を持ち、八千代エンジニヤリングやパシフィックコンサルタンツも有力です。
上下水道分野では日水コンとNJSが代表的な存在として知られ、自治体の水インフラ更新や官民連携案件で実績を積み重ねています。
都市計画・まちづくり分野
都市計画・地方計画では日本工営都市空間、日建設計、オリエンタルコンサルタンツなどが代表的です。再開発、駅前広場整備、地域マスタープラン策定、エリアマネジメントなど、地域固有の課題に対応する技術が求められます。
環境・防災分野
建設環境分野ではいであ、日本工営、パシフィックコンサルタンツが上位に位置します。環境影響評価、気候変動対応、脱炭素関連の計画策定などのテーマが拡大しています。
防災分野では建設技術研究所、オリエンタルコンサルタンツ、パシフィックコンサルタンツが大型案件で関与する例が多く、ハザードマップ作成や災害リスク評価の需要が伸びています。
民間向け(不動産・プラント・再エネ)に強い建設コンサル
公共事業中心の建設コンサルタントが多い中、民間プロジェクトや特殊分野で独自の地位を築く企業もあります。
応用地質は地質調査・防災インフラ・環境アセスメントに強く、民間の地盤調査ニーズにも応えています。計測システムから情報サービスまで自社製品・サービスを保有している点も特徴です。
パスコは測量・地理空間情報・GIS分野で主要プレイヤーの一つで、衛星・航空機・ドローン・MMSによる計測から3次元都市モデル活用まで一貫対応が可能です。アジア航測も航空測量や地理空間情報を扱います。再生可能エネルギーやスマートシティ関連のコンサルティングは、各大手が新規事業として強化している領域です。
建設コンサルティング会社の選び方
適切なパートナー選定には、自社案件と各社の強みの適合性を確認することが鍵となります。
発注者(官公庁/民間)との適合性
建設コンサルタントは公共事業比率が高い企業が中心ですが、民間案件への対応力は会社ごとに差があります。発注者の属性に応じた実績を持つ企業を選ぶことで、調整や手続きが円滑に進みやすくなります。
技術者の専門性・地域カバー
必要な専門部門の技術士やRCCMが在籍しているか、対応地域の支店網があるかを確認します。地方案件では、地域に根ざした中堅・地域系コンサルタントが強みを発揮することもあります。
PPP/PFI、DX対応力
近年はPPP/PFIによる官民連携事業や、BIM/CIM、AI、データ解析を活用したDX対応力が差別化要素となっています。維持管理段階を含む包括的なサービス提供を求める場合は、これらへの対応実績を確認することが望まれます。
依頼前に確認すべきポイントと進め方
発注に先立ち、以下を整理しておくと候補比較がスムーズに進みます。事業の目的・スコープ(調査のみか、設計・監理まで含むか)、対象分野と必要な技術部門、スケジュールと予算規模、類似案件での実績、担当予定者の経験と資格、体制図とプロジェクト管理方法といった要素です。
進め方としては、複数社から提案を受けるプロポーザル方式や、価格と技術提案を組み合わせた総合評価落札方式が一般的です。技術提案の内容と提案者の実績を総合的に評価することで、案件適合性の高い委託先を選定できます。
不動産デベロッパーや自治体の発注担当者におすすめの建設コンサルティング一覧!
よくある質問
日本の三大建設コンサルタントはどこですか
売上規模で見ると、日本工営(ID&Eホールディングス)、パシフィックコンサルタンツ、建設技術研究所の3社が長年の上位企業として挙げられることが多く、いわゆるBIG3として総合力で業界を牽引しています。
建設コンサルタントとゼネコンはどう違いますか
建設コンサルタントは計画・調査・設計・監理を担い、ゼネコンは実際の施工を担当します。公共事業では設計と施工が分離されるのが原則で、両者は補完関係にあります。
建設コンサルタント会社の選定で重視すべき点は何ですか
分野別の実績、技術者の専門性、対応地域、提案内容と価格のバランスが基本的な比較軸です。長期にわたる維持管理を見据える場合は、継続的に関与できる体制と財務的な安定性も確認しておくと安心です。
ランキングは何を基準に作られていますか
多くは売上高ベースです。日経コンストラクションなどの業界誌調査では、業務分野別の業務額ランキングや、技術者数、決算データを組み合わせた評価も公表されています。複数の指標を併せて参照することで、より立体的な比較が可能になります。
まとめ 建設コンサルティング会社選定の要点と次のアクション
建設コンサルティング会社は、ID&Eホールディングス(旧:日本工営)、パシフィックコンサルタンツ、建設技術研究所のいわゆるBIG3を中心に、八千代エンジニヤリング、オリエンタルコンサルタンツ、日水コン、いであなど、それぞれ得意領域の異なる企業が並んでいます。売上高ランキングは企業規模を把握する出発点として有用ですが、最終的な依頼先は「自社案件の対象分野」「必要な技術部門の有資格者数」「発注者属性との適合性」を組み合わせて判断する必要があります。河川・上下水道・橋梁・都市計画・環境など、領域ごとに強い企業が異なるため、案件の主目的に合わせて2〜3社の候補を絞り込むのが現実的です。あわせて、PPP/PFIやBIM/CIMといったDX対応力、長期の維持管理まで見据えた継続支援体制も確認しておくと、選定後のミスマッチを抑えられます。次のステップとしては、事業スコープ・予算・スケジュールを整理したうえで、複数社へのプロポーザル依頼や情報収集を行い、技術提案の中身と実績を比較することをおすすめします。本記事のランキングや評価軸はあくまで時点情報のため、最新の有価証券報告書や業界調査も併せてご確認ください。












