エクセルはもう遅い!?入金消込や売掛金をわかりやすく解説

Last Updated on 2024-11-01 by プロキュア編集部

経理担当は日々さまざまな案件を取り扱いますが、「エクセルで入金消込をしている」という方もおられますが、実はそれはデメリットの多いことなのです。そこで、今回は「入金消込システム」を導入するメリットについて解説します。

そもそも入金消込や売掛金とは?

「入金消込」とは、入金情報を照合して、該当する金額分だけ売掛金(商品の販売代金を月末等のタイミングで支払ってもらう債権のこと)などを消去する作業のことです。

例えば「商品10万円を掛け販売した」場合には、以下のような仕訳を行います。

売掛金 100,000 / 売上 100,000

債権である売掛金は「資産」の勘定科目として管理しますが、後に現金等で支払いを受け、それに伴って勘定科目を相殺することになるのです。

会社の法人口座の情報と売掛金について記載されている請求書の金額を照合し、取引先からの入金を確認して該当額の売掛金を消去します。照合の結果、期日までに入金がなければ取引先に対して売掛金支払いの督促を行うのです。

売掛金と買掛金の違い

売掛金と買掛金は、どちらも「掛け販売(いわゆる「ツケ払い」のこと)で発生する勘定科目」です。

売掛金は、自社が商品を掛け販売した際の債権(資産)の勘定科目で、ものやサービスを売った際に発生します。以下が仕訳例です。

1.「商品10万円を掛けで販売した」

売掛金 100,000 / 売上 100,000

2.「売掛金10万円を現金で回収した」

現金 100,000 / 売掛金 100,000

買掛金は、自社が掛けで購入した商品代金に関する債務(負債)の勘定科目で、ものやサービスを購入した際に発生します。以下が仕訳例です。

1.「商品10万円を掛けで仕入れた」

仕入 100,000 / 買掛金 100,000

2.「買掛金10万円を小切手で支払った」

買掛金 100,000 / 当座預金 100,000

入金消込をエクセルで行う方法

次に、入金消込の作業を「エクセル」を使って行う方法について解説します。

通帳の入金情報をエクセルに入力する

まずは法人口座の通帳を用意し、最新の情報に記帳した状態で「入金日」「入金名義」「入金額」の3つの情報をエクセルに入力します。これは、入金消込の照合作業の下準備の段階であり、この作業を間違えてしまうと正確な入金消込はできません。

上記3つの情報(特に「入金名義」と「入金額」が重要)を間違えずに入力してください。

注文と入金との突合せ作業を行う

エクセルの準備が整ったら、「入金管理表」と照らし合わせて各取引先ごとの売掛金の入金(回収)状況を最新の情報に更新します。

基本的に売掛金には「いつまでに支払いを行う」という支払い期限を決めているため、どこの取引先が、いくら売掛金を支払っていない状況なのかを確認できるのです。

エクセルの「関数」や「フィルタ機能」を利用して利便性アップ

エクセルを使って入金消込を行う際には「関数」「フィルタ機能」等を活用すると良いでしょう。

例えば「COUNTIF関数」を利用すればデータの重複のチェックができますし、フィルタ機能を使えば取引先ごとにデータを抽出して照合作業ができます。取引先や掛け販売の頻度が多い場合には、扱うデータ量が多くなりますので、これらの便利な機能を用いて効率よく入金消込をしましょう。

エクセルで入金消込を行う問題点

上記のようにエクセルで入金消込は可能ですが、エクセルを使った入金消込作業には以下の3つの問題点があると考えられます。

①作業の専門性が高く、できる人が限られる

1つ目の問題点は「作業の専門性が高い」ことです。エクセルで企業実務的な作業をこなすとなれば、エクセルに関する相応の知識と経験が必要になる場面も出てきます。前述の「関数」や「フィルタ機能」に関しても、ある程度エクセルを使いこなしている方でないとスムーズに運用できないでしょう。

照合作業だけでなく、必要に応じて取引先への売掛金入金の督促などの作業も伴いますので、スムーズに行えるベテランのエクセルユーザーでないとエクセルによる入金消込は難しいと言えるでしょう。

②入力ミスのリスクがある

エクセルへの数値の入力や、関数の登録などは、基本的にすべて手作業で行うため、「入力ミスのリスク」があります。

人の手で行う作業にはどうしても「ミス」がつきものですが、仮に売掛金の入金情報の把握にミスがあれば、取引先との余計なトラブルに発展したりすると、会社としての信用を損なう事態に発展する可能性も捨てきれません。

特に取引先が多い場合など扱う情報量が多い場合にはミスの発生リスクも相応に大きくなるでしょう。

③エクセルへの入力の手間がある

3つ目に「入力に手間がかかる」ことです。エクセルを使って入金消込を行うということは、当然ながら「エクセルにデータを入力する」ことであり、パソコンを使った作業に時間を割かれることになります。

入金消込を行う従業員には他にも仕事がありますし、人件費の問題を考えると手間がかかる作業が多いことは会社にとってデメリットにしかなりません。取引先や取引頻度が多い業態の場合であれば、特に入金消込だけで相当な時間を使うことになり、非効率的であると言わざるを得ないのです。

入金消込システム導入で業務の効率化を図ろう

エクセルを使った入金消込は、

1.できる人が限られる

2.ミスのリスクがある

3.作業の手間がかかる

という3つの問題点があることがわかります。いくら入金消込が必要不可欠な会計処理であるとはいえ、上記のようなデメリットを抱えたままでは効率よく入金消込を継続できません。

そこで、おすすめするのが「入金消込システム」の導入です。入金消込システムは、入金消込の作業を自動化できるシステムであり、上記3つの問題を解消できます。

おすすめ入金消込システム2選!!

本記事では、おすすめの入金システムを2つピックアップし、その機能と特徴、料金について解説します。

1 . 請求管理ロボ

機能

自動消込を含めた請求管理と債権管理を1つのシステムで完結させられるシステムです。数日かかるような入金確認作業を自動化し、最短10分で完了します。

「MFクラウド」「勘定奉行」などの他社会計ソフトに対応し、消込データを出力することで担当者の転記作業の負担を軽減することが可能です。

また、名義不一致で自動消込が失敗した場合は、該当の口座名義を記憶して次回の自動消込時に振込名義人を消込候補の情報として参照する機能があるため、ミスが起こりにくくなっています。

特徴

・大手企業を含めた導入企業700社以上

金融機関と連動して入金情報を自動取得し業務効率化を推進

・CSVアップロードにも対応

・消込失敗時も通知や一覧で内容を確認できる

・国際基準のセキュリティと万全の運用サポートで安心

料金

・詳細については要問い合わせ

 2 . V-ONEクラウド

機能

大手企業を含めた400社以上で導入されている入金消込・債権管理クラウドシステムです。

取引先ごとに異なる照合ロジックを調整し、独自の学習機能により異なる名義での振込やまとめての入金なども学習することで、高い照合率を実現しています。V-ONEクラウドでは、残高年齢表や滞留一覧表を簡単に出力でき、回収状況や滞留状況を営業部門に通知することで債権回収意識を向上できます。

また、入金データを自動取得し、システム間の連携を確保しながらも業務フローを大きく変える必要がありません。

特徴

入金消込・債権管理業務を低価格で自動化

・独立型システムのため業務フローの大幅な変更は不要

・接続可能な金融機関は3,000サービス以上

・システム導入時には専属のサポート担当が稼働までサポート

・さまざまなシステムとAPI連携可能

料金

・詳細については要問い合わせ

まとめ

入金消込は人の手による作業ではミスなどの問題があり、入金消込システムを導入することでスムーズな入金消込を実現できます。

システムにも種類がありますので、特徴や料金などを比較して最適なシステムを導入してください。