株式会社楓工務店
電話対応で時間がとられ、作業は一時中断。言い間違いや聞き間違いで二度手間も発生…。
そういった電話対応の連続に煩わしさを感じている担当者もいるのではないでしょうか。
電話には電話の良さがありますが、今回はちょっとした連絡や情報共有ならチャットツールの導入も考えたいという担当者に向けて、電話とチャットの違い、そして実際にチャットツールを導入したことで電話対応の悩みがかなり改善されたという株式会社楓工務店の事例をご紹介します。
● 電話の“困った”はチャットが解決!電話とチャットの違いとは?
・電話とチャットの違い
・チャットと電話の使い分けが大切!
● 株式会社楓工務店の事例に見る、Chatwork導入のメリット
導入の背景:社内のIT化の推進やIT化コンサルタントによる紹介
活用方法 :社内の業務連絡/協力会社とのグループチャット
導入の効果:1. 電話や付せんメモ、口頭連絡が激減
導入の効果:2. 仕事内容の把握が容易に
運用の工夫:大工さんへのiPad支給や、タスク化のルール作り
業務上のコミュニケ―ションは電話が中心という企業も少なくありませんが、電話での対応を面倒だと感じたことのある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん電話を使わざるを得ない場面もありますが、対応に時間がかかってしまう分、どのようなときでも効率的に使えるツールとは言いにくいかもしれません。
チャットは電話よりも即時性が求められないため、作業がより効率的になるケースが多々あります。
電話とチャットにはどのような違いがあるのか、細かく見ていきましょう。
電話 | チャット |
---|---|
・取次が必要な上、不在なら伝言や折り返しが必須 ・聞き間違いや言い間違い、伝え忘れなどが起きやすい ・相手だけでなく周りにも聞こえてしまうので、場所に気を遣う ・相手の都合のいいタイミングでかかってくる ・電話特有のマナーが面倒、そのぶん時間もかかる ・出たら最後、自分宛じゃなくても応対作業が発生する |
・直接本人に届くから、伝言や折り返しは不要 ・やりとりはすべて書面で残るから、後から確認できる ・周りに聞かれたくない話もしやすい ・相手を気にせず自分のタイミングで対応できる ・簡単なメッセージでやりとり完了 ・送信元が明確で関係ない作業が発生しにくい |
上記のように、電話は作業の手を止めての対応が必要となるため、電話中心のままのコミュニケーション手段だと業務効率の悪化にもつながりかねません。
ただ、電話にも電話ならではのメリットや使うべき場面があります。
・緊急時など相手に急いで伝えたい情報がある場合
・交渉ごとや謝罪時など細かなニュアンスを伝えたい場合
・取引先がスマートフォンやPCを持っていない場合
こういった場合には、電話の使用が望ましく、チャットよりも電話を利用すべきだと言えるでしょう。
ビジネスでは、上記のように電話が必要となるシーンもありますが、下記のようなシーンではチャットを使ったほうが効率的です。
▼取引先など頻繁な連絡が必要な相手とのやり取り
担当している取引先など頻繁なやり取りが発生する相手とは、チャットでのやり取りに切り替えたほうが便利です。
自分の都合のいいタイミングで、いつでも連絡したい相手に直接メッセージを送ったり返信したりできるため、かけ直しや取り次ぎ、伝言などに手間をかける必要がなくなります。
▼組織やチーム間でのやり取り
チャットは、組織やチーム内でのコミュニケーションツールとしても使えます。
一対一でしかやり取りできない電話とは違い、部署やプロジェクトチームなど必要なメンバーを選んでグループを作っておくだけで、情報の共有漏れを防ぐことができます。
▼遠方にいる人たち同士の会議
チャットには、PCカメラを使ってリアルタイムでビデオ通話ができるChatwork Live機能も搭載されているサービスもあります。
Chatwork Liveを使えば、PCさえあれば場所を問わず複数人で顔を合わせて通話することも可能です。
言った言わない問題、取次の手間、作業を強制的にストップするなどの状況を避けるためにもチャットを活用することは重要です。
そのため、電話を使わないといけないシーンを決めることがコミュニケーションを快適にする鍵となります。たとえば、お客様からの初めての問い合わせは電話で受けてその後のやり取りが発生するようであればチャットに移行するなどのルールを決めるとよいでしょう。
奈良・木津川エリアで「注文住宅」を設計・施工している株式会社楓工務店。
お客様の望みを実現するための家を提案・施工している工務店ですが、電話でのやりとりの多さに悩んでいる時代があったとのこと。
今回は、代表取締役である田尻さん、現場監督を務める吉松さん、建築士の飯田さんに、Chatwork導入による業務の変化について伺いました。
田尻 : きっかけは、社内のIT化に取り組んだことでした。
というのも、以前は社内や社外との業務連絡は、口頭か電話で、私や現場監督には、日に100件もの電話がかかってきたり、帰社するとデスクに「付箋による伝言」が山のように貼られている状況でした。
伝達ミスや、情報の把握漏れがないか心配で、夜中にガバッと飛び起きて「あれやっといてくれたかな?」と不安になることもしばしばありました。
そこで、IT化を進め、きっちり仕事ができる仕組みを作り、社員みんなが楽をできるようにしようと考えました。その時、IT化コンサルタントに紹介されたのがChatworkでした。2011年の11月のことでした。
田尻 : 1つ目は「社内の業務連絡が目的」のグループチャットです。
社内の業務連絡をおこなうのですが、これまで付箋や口頭でおこなっていた伝言、現場からの施工内容確認、急がないけれど伝えておきたい件、ちょっとした質問などをこのグループチャットでやり取りします。
2つ目は、協力会社とのグループチャットです。建材屋さん・大工さん・電気屋さん・司法書士さん・水道屋さん・税理士さん・外構屋さんなど、各社とグループチャットを作っています。
田尻 : 最大の効果は、電話が激減したことです。社内の業務連絡にかかっていたさまざまな労力は半減し、電話の回数は30%以上減りました。
社内向けには電話をかけなくなり、電話代・通話時間・かかってき過ぎることによるイライラが減りました。
今すぐではなくても良い用件であったり、事前の情報伝達でなくせるものをChatworkでやり取りすることで、集中している時に手を止めなくてすむようになり、作業がいっそう進むようになりました。
吉松 : 自分の都合のよい時間に合わせて依頼・発注・問い合わせをできることが何より助かります。
電話のたびに仕事の手を止められることがなくなり、目の前の仕事に集中できるようになりました。
飯田 : やはり電話が少なくなることに価値を感じます。私は転職入社なのですが、以前勤めていた住宅の検査会社では、現場監督に電話連絡をしても監督はいつも通話中でした。
着信履歴が残るので、折り返しをくれると思いきや、監督の着信は日に100件ぐらいあるので、30件だけ残る着信履歴から消えて、折り返し電話も入らない状況でした。
そうしている間に伝えたかったことが何だったか分からなくなることもありました。Chatworkで電話の苦労がなくなるのはとてもうれしいです。
田尻 : 仕事内容を正確に把握できることです。依頼内容・責任の所在・自分が伝えた内容・依頼された内容・納期・締め切りがはっきりします。
納期に合わせて仕事に優先順位をつけられるようになりましたし、伝達ミスはほぼ「ゼロ」になり、それ以外のミスも50%以下になりました。また、伝わらなかったことで起こる不測の事態をカバーする仕事もなくなりました。
飯田 : チャットのやり取りを見ているだけで、「こういう場合はこう答えればいいのだな」と分かります。
連絡網という認識で見ているので、そこから勉強しようとは思っていませんでしたが、仕事の一連の流れを見るだけで把握できますし、「職人さんはこう考えているのだな」など仕事相手の事情を把握できるようになりました。
吉松 : 自分が直接関係ない情報も見えているので、仲間を自然にフォローできるし、フォローしてもらえるようになりました。スタッフの仕事量のバランスが取れるようになったと思います。
田尻 : 頻繁に連絡をとりあう大工さんにはiPadを支給しました。iPhoneは大工さんが扱うのに少し小さいんですよ。だからiPadです。相談したい個所を写真で撮り、それを見ながら相談できますし、むやみに電話がかからないため作業に集中できるようです。
また、一番の取引先である建材屋さんとのグループチャットは、発注に関するミスを撲滅でき、特にメリットを感じています。建材屋さんは電話の回数が極めて多く、こちらがかけても通話中で用件を伝えられないという悩みがありました。
田尻 : 「タスク機能」を使って仕事を依頼する時に、仕事の期限をどう決めるかで悩みました。タスクは「完了ボタン」を押せば、仕事が終わったことがわかりますが、「期日を納期ギリギリに設定」すると、本当に仕事を終えていないといけないその日まで、着手したかどうかも分からないからです。
「納期に合わせたタスクはまずい」ので、解決策として「8月15日までにA様邸の図面をひくスケジュールを立ててください」という依頼のやり方を考えました。この方法なら、「図面スケジュールを立てること」がタスクなので、タスクが完了された時には、本当の納期までに図面を引くというスケジュールが部下に伝わったと分かります。
うちの場合は、仕事を口頭や付箋で依頼することを禁止しました。これで口頭連絡によるミス防止と、集中して仕事に取組める環境を手に入れました。