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クラウド会計とは?メリット・デメリットから法人向けソフトの選び方、導入手順まで解説

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クラウド会計とは?メリット・デメリットから法人向けソフトの選び方、導入手順まで解説

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企業のDX推進や働き方の多様化に伴い、従来のインストール型会計ソフトからの乗り換えを検討する経理担当者や経営者が増えています。クラウド会計は業務効率化に貢献する可能性がある一方、初めて導入する際は仕組みやメリットが分かりにくいこともあります。この記事では、クラウド会計の基本的な定義から、導入のメリット・デメリット、そして自社に適したソフトを選ぶための比較ポイントまでを解説します。

目次

クラウド会計を導入する5つのメリット

入力・仕訳の自動化による経理業務の大幅な効率化

クラウド会計導入の主なメリットは、手作業による入力業務を削減できる点です。銀行口座やクレジットカードなどの外部サービスとAPI連携することで、取引明細を自動で取り込めます。
取り込まれたデータに基づき、AIが勘定科目を推測し、仕訳案を自動で作成します。これにより、手入力の手間が省けるだけでなく、入力ミスといったヒューマンエラーの防止にもつながります。例えば「freee会計」のようなサービスでは、こうした自動化機能によって経理担当者は仕訳内容の確認と承認に集中しやすくなるため、業務時間の短縮が期待できます。

リアルタイムな経営状況の可視化と迅速な意思決定支援

クラウド会計では日々の取引データが速やかに反映されるため、経営者はいつでも最新に近い財務状況を把握しやすくなります。従来の方法では、試算表の作成に時間がかかり、経営判断が遅れる一因となる場合がありました。
クラウド会計を活用すれば、売上や利益、キャッシュフローといった経営指標をリアルタイムに近い形でグラフやレポートとして可視化できます。これにより、資金繰りの悪化や予算との乖離といった問題を早期に発見し、迅速な対策を講じやすくなります。部門別やプロジェクト別の損益管理も行いやすくなるため、より精緻な分析に基づいた意思決定を支援します。

場所やデバイスを問わない柔軟なアクセス性

インターネット環境があれば、場所や時間を問わずにシステムを利用できる点も大きな特長です。オフィスだけでなく、自宅や出張先からでも、パソコンやスマートフォン、タブレットなど様々なデバイスで会計データにアクセスできます。
これにより、経理担当者のテレワークが実現しやすくなります。また、経営者や営業担当者が外出先から経費精算を行ったり、請求書を発行したりすることも可能です。万が一パソコンが故障した場合でも、データはクラウド上に保管されているため、別の端末からすぐに業務を再開でき、業務停止のリスクを低減できます。

法改正や税制改正への自動アップデート対応

消費税率の変更やインボイス制度の導入など、経理業務に関連する法制度は頻繁に改正されます。インストール型ソフトの場合、こうした改正に対応するために更新作業や追加コストが発生する可能性がありました。
クラウド会計では、サービス提供者が法改正に合わせてシステムを自動でアップデートします。ユーザーは特別な作業をすることなく、最新の法令に準拠した状態で業務を行いやすくなります。これにより、コンプライアンス違反のリスクを低減できるとともに、システムメンテナンスの手間やコストも削減可能です。

顧問税理士など外部パートナーとのスムーズなデータ共有

クラウド会計を利用すると、顧問税理士とのデータ共有が容易になります。従来のように会計データをUSBメモリなどで受け渡しする手間を削減できます。税理士に閲覧権限を付与すれば、双方が同じ画面を見ながらリアルタイムで相談や確認作業を進められます。
これにより、月次決算のチェックが効率化され、決算申告までの時間の短縮が期待できます。特に「FXクラウドシリーズ」のように税理士との連携を強みとするサービスもあり、データの受け渡しに伴う情報漏洩のリスクも低減されます。税理士側も最新の数値を把握しやすくなるため、よりタイムリーで的確な経営アドバイスを受けやすくなります。

導入前に把握すべきデメリットと注意点

月額・年額で継続的に発生するランニングコスト

クラウド会計は初期費用を抑えられる傾向がある一方、利用期間中は継続的に利用料が発生します。多くは月額または年額のサブスクリプションモデルであり、長期間利用すれば総額コストは増加します。また、利用ユーザー数や機能の追加によって料金が変動する場合もあるため注意が必要です。
導入にあたっては、長期的な視点でコストを試算し、業務効率化による人件費削減などの効果と照らし合わせて、費用対効果を慎重に検討することが大切です。単に料金の安さだけでなく、総合的なコストメリットを見極める必要があります。

インターネット環境への依存とオフライン時の制約

クラウド会計はインターネット接続が前提のため、接続できない場所や通信が不安定な状況では利用が制限される場合があります。回線トラブルやサーバー障害が発生すると、業務が一時的に停止するリスクも考慮する必要があります。
安定したインターネット回線の確保が前提となり、万一の通信障害に備えて代替手段を検討しておくことも有効です。ただし、「JDL IBEXクラウド」のように一部のサービスではオフラインでの利用に対応している場合もあります。 自社の業務でオフライン作業が必要かどうかを確認しておきましょう。

セキュリティリスクと自社で講じるべき対策

重要な財務データを外部のサーバーに保管するため、情報漏洩や不正アクセスへの対策は不可欠です。多くのクラウドサービスは高いセキュリティレベルを維持していますが、利用者のIDやパスワードの管理が不十分だと、そこがセキュリティ上の弱点になり得ます。
推測されにくい複雑なパスワードの設定や、二段階認証の有効化といった対策を社内で徹底することが重要です。また、公共のフリーWi-Fiからのアクセスを避けるなど、通信経路の安全確保にも配慮が求められます。従業員へのセキュリティ教育を行い、アカウント管理の重要性を周知することも欠かせません。

「クラウドは危険」は本当?セキュリティに関するよくある誤解

「クラウドは危険で、自社サーバーの方が安全」という考えは、一概に正しいとは言えません。多くのクラウド会計サービスは、金融機関レベルの暗号化技術や24時間365日の監視体制など、高水準のセキュリティ対策を講じています。
また、データのバックアップも自動的に複数の拠点へ分散して行われることが多く、災害や機器故障によるデータ消失リスクに対しては、自社での管理よりも高い安全性が期待できるケースがあります。むしろ、対策が不十分な社内サーバーでデータを管理する方が、ウイルス感染やハードウェア故障によるデータ喪失のリスクが高い場合もあります。

【法人向け】クラウド会計ソフト導入の基本的な流れ

ステップ1:導入目的の明確化と要件定義

導入を検討する最初のステップは、クラウド会計を導入する目的を明確にすることです。「経理業務の時間を削減したい」「テレワークに対応したい」など、解決したい課題を具体的にします。
その上で、自社に必要な機能をリストアップし、要件を定義します。例えば、販売管理システムとの連携は必要か、部門別会計機能は必須か、などを検討します。目的と要件が曖昧なままだと、機能が過剰な製品を選んでしまったり、逆に必要な機能が不足していたりする失敗につながる可能性があります。

ステップ2:既存データからの移行計画と準備

現在利用している会計ソフトから移行する場合、データの移行作業が発生します。勘定科目や取引先マスタ、開始残高といった基本情報に加え、過去の仕訳データをどの範囲まで移行するかを決定します。
多くのクラウド会計ソフトにはデータインポート機能が備わっていますが、データの形式を調整する必要がある場合も少なくありません。期中で移行する際は、移行時点までの試算表を確定させ、スムーズに残高を引き継げるよう準備が必要です。データ移行は慎重さが求められるため、決算期明けのタイミングで切り替えるのが、一般的に推奨されます。

ステップ3:社内体制の整備と運用ルールの策定

新しいシステムの導入には、それに合わせた社内体制と運用ルールの整備が不可欠です。誰が管理者となり、誰が入力作業を行うのかを定め、アクセス権限を設定します。
また、領収書の提出方法や経費精算のフローなど、クラウド会計の機能を活かすための運用ルールを策定します。例えば、スマートフォンアプリで領収書を撮影・申請する運用に変える場合、従業員への周知と操作方法の説明が必要です。電子帳簿保存法に対応した運用を行う場合は、法令要件を満たすための設定も確認しましょう。

ツール導入を機に行うべき業務フローの見直しポイント

クラウド会計ソフトを単に既存の業務フローに当てはめるだけでは、その効果は限定的になる可能性があります。導入を機に、これまでの業務プロセス自体を見直し、最適化することが成功の鍵となります。
例えば、現金精算を廃止して法人カード決済に切り替えれば、自動連携機能を活用でき、小口現金の管理業務自体をなくせます。また、請求書発行から入金消込までをシステム上で完結させることで、転記や照合といった手作業を削減可能です。「今までこうだったから」という固定観念にとらわれず、システムに合わせて業務フローを再構築することが重要です。

自社に最適なクラウド会計ソフト選定のための比較ポイント

事業規模や業種に合ったソフトのタイプを見極める(オールインワン型・特化型など)

クラウド会計ソフトには、経理業務全般をカバーする製品から、特定の業種や機能に特化した製品まで様々なタイプがあります。個人事業主や小規模法人であれば、簿記の知識が少なくても入力しやすいシンプルなソフトが向いている場合があります。
一方、中堅企業以上では、内部統制や詳細な権限管理機能を備えた高機能なソフトが求められることもあります。また、海外拠点を持つ企業なら「勘定奉行クラウド Global Edition」のような多言語・多通貨対応の製品、特定の業種であれば、その商習慣に対応した機能を持つ製品を選ぶことが、スムーズな運用につながります。

料金プランと機能のバランスを比較検討する

料金プランはソフトによって異なり、機能の豊富さや利用可能人数などによっていくつかの段階に分かれているのが一般的です。安価なプランでは必要な機能が制限されている場合がある一方、高機能なプランを選んでも使いこなせなければ無駄なコストになりかねません。
自社に必要な機能(部門管理、電子申告、請求書作成など)を見極め、予算とのバランスを考慮して最適なプランを選定することが重要です。初期費用やオプション料金が別途発生しないかも確認しましょう。無料トライアル期間を利用して、実際の機能とコスト感を比較検討することが推奨されます。

操作画面の分かりやすさと直感的な操作性

毎日利用するシステムだからこそ、操作画面の見やすさや使いやすさは重要な選定ポイントの一つです。専門用語が少なく直感的に操作できるか、入力画面の遷移はスムーズかなどを確認しましょう。
特に、経理担当者以外も利用する場合は、誰でも直感的に使えるデザインであることが望ましいです。「freee会計」や「弥生会計 オンライン」のように、初心者でも使いやすいと評価されているサービスもあります。実際に操作する担当者がトライアルで試し、ストレスなく使えるかを評価することが大切です。

導入時や運用中のサポート体制の充実度

導入初期の設定や操作でつまずかないためには、サポート体制の充実度も重要な判断基準となります。電話、メール、チャットなど、どのような問い合わせ手段があるか、自社の業務時間内に対応してもらえるかを確認しましょう。
「弥生会計 オンライン」のように手厚いサポートを特徴とするサービスや、「ACT-NetPro」のように専門家による導入支援を提供するサービスもあります。 マニュアルやFAQサイトが充実しているかも、自社で問題を解決する際に役立ちます。初めてクラウド会計を導入する場合は、手厚いサポートが受けられるサービスを選ぶと安心です。

販売管理や給与計算など他システムとの連携性

会計業務は、販売管理や給与計算、経費精算など、他の業務と密接に関連しています。これらのシステムとクラウド会計ソフトがスムーズにデータ連携できるかは、業務全体の効率化を左右する重要なポイントになります。
API連携でデータが自動同期されれば、二重入力の手間や転記ミスをなくせます。「Zoho Books」のように、同シリーズのCRMなどと連携しやすい製品もあります。 自社で利用中のシステムや導入予定のシステムとの連携可否を確認し、バックオフィス業務全体を最適化できる組み合わせを検討することが重要です。

クラウド会計の導入効果を最大化するために

導入目的を社内で共有し、協力体制を築く

クラウド会計の導入は、経理部門だけでなく、経費精算を行う全従業員や承認者など、全社に関わる取り組みです。なぜシステムを導入するのか、それによってどのようなメリットがあるのかを社内全体に周知し、理解と協力を得ることが重要です。
「業務が効率化される」「ペーパーレス化が進む」といった具体的な変化を共有し、新しい運用ルールへの協力を促しましょう。丁寧な説明会を実施するなど、全社一丸となった協力体制を築くことが、導入を成功させるための鍵となります。

まずは一部門から始めるスモールスタートも有効

全社一斉に導入して業務フローを大きく変更すると、現場の混乱を招く可能性があります。特に企業規模が大きい場合、まずは特定の部署や業務から試験的に導入する「スモールスタート」という手法が有効な場合があります。
限定的な範囲で運用を開始し、そこで見つかった課題を改善してから、徐々に適用範囲を広げていきます。この方法により、リスクを抑えながらスムーズな移行を目指せます。また、小さな成功事例を作ることで、他部門への展開も進めやすくなるでしょう。

無料トライアルを活用し、実際の使用感を確かめる

多くのクラウド会計ソフトでは、無料トライアル期間が設けられています。導入を決定する前に、トライアルを活用し、実際の使用感を確かめることが重要です。
銀行口座との連携はスムーズか、自動仕訳の精度は十分か、帳票は見やすいかなど、資料だけでは分からない点を実務レベルで検証します。実際に操作する複数の担当者に試してもらい、意見を集めることも有効です。自社の業務フローに合っているか、ストレスなく使えるかをしっかり見極めることで、導入後のミスマッチを防げます。

法人におすすめのクラウド会計一覧!

まとめ:クラウド会計のメリットを理解し、自社に最適な導入を

本記事では、クラウド会計の基本的な仕組みからメリット・デメリット、選定のポイントまでを解説しました。クラウド会計は、入力業務の自動化やリアルタイムな経営状況の可視化、法改正への自動対応など、従来のインストール型ソフトにはない多くの利点があります。一方で、ランニングコストやインターネット環境への依存といった注意点も理解しておく必要があります。導入を成功させるには、まず自社の課題を明確にし、機能やコスト、サポート体制などを多角的に比較検討することが重要です。無料トライアルなどを活用して実際の使用感を確かめ、自社の業務フローに最適なソフトを選ぶことが大切です。

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