勤怠管理システム比較12選!選び方の5つのポイントと料金相場、タイプ別のおすすめを解説

タイムカードやExcelによる手作業の勤怠管理は、集計に時間がかかるだけでなく、法改正やテレワークといった多様な働き方への対応が難しい側面があります。自社の規模や就業規則に合ったシステムを導入したいものの、どの製品をどのような基準で比較すればよいか、悩む担当者の方も少なくないでしょう。この記事では、勤怠管理システムの基本から、選定で失敗しないための比較ポイント、導入を成功させる具体的なステップまでを解説します。
目次
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勤怠管理システム導入のメリットと注意点
メリット:管理部門の工数削減とコンプライアンス強化
勤怠管理システム導入の主なメリットの一つは、人事労務部門における業務工数の削減です。タイムカードの回収から労働時間の集計、給与計算ソフトへの入力といった一連の作業が自動化されます。これにより、担当者の月末月初に集中しがちな業務負担が軽減され、より付加価値の高い業務に注力しやすくなります。
もう一つの重要なメリットが、コンプライアンスの強化です。残業時間が上限に近づいた際に自動でアラートを通知する機能などを活用すれば、長時間労働をリアルタイムで把握し、未然に防ぐ一助となります。これにより労働基準法違反のリスクを低減し、客観的な記録によって監督署の調査などにも迅速に対応しやすくなります。
注意点:導入コストと社内への定着プロセス
システム導入にあたっては、初期費用や月額利用料といったコストが発生する点を考慮する必要があります。特にクラウド型は、従業員数に応じたランニングコストがかかるため、長期的な視点での費用対効果の検証が重要です。
また、新しいシステムを社内に定着させるためのプロセスも課題となり得ます。操作方法の変更に従業員が戸惑い、導入初期には打刻忘れや入力ミスが発生することも考えられます。事前に説明会を実施したり、分かりやすいマニュアルを配布したりするなど、丁寧なサポート体制を整えることが円滑な導入の鍵となります。
コストだけでない導入効果の示し方:社内稟議で説明すべきROIとは
勤怠管理システムの導入稟議を通すためには、投資対効果(ROI)を明確に示すことが重要です。単なるシステム利用料という支出面だけでなく、導入によって削減が見込める人件費などを具体的に金額換算して提示することが有効です。
例えば、毎月の集計作業にかかる時間と担当者の時給から削減コストを算出できます。さらに、ペーパーレス化による消耗品費の削減や、未払い残業代の発生リスク回避といった副次的な効果も加えることで、経営層の理解を得やすくなるでしょう。
勤怠管理システムの主な機能
基本機能:正確な労働時間を把握する(打刻・自動集計・残業計算)
労働時間の正確な記録・集計は、勤怠管理システムの根幹をなす機能です。従業員はPCやスマートフォン、ICカードなど多様な方法で打刻します。
打刻されたデータは即座にシステムへ反映され、所定労働時間や時間外労働、深夜労働などが自動で分類・計算される仕組みです。これにより、割増賃金の基礎となる労働時間が正確に算出されます。手作業による計算をなくすことで人的ミスを防ぎ、給与計算の正確性を担保するという重要な役割を担います。
応用機能:業務を効率化する(シフト管理・休暇管理・申請ワークフロー)
基本機能に加え、日常の労務管理を効率化する応用機能を搭載したシステムも多くあります。シフト管理機能は、複雑な勤務形態に合わせて人員配置の最適化を支援します。
休暇管理機能は、有給休暇の付与や取得状況を自動で管理し、従業員自身も残日数を確認できるため、取得促進にも繋がります。また、残業や打刻修正などをオンラインで行える申請ワークフロー機能も便利です。申請から承認までのプロセスが電子化されることで、組織全体の業務スピード向上に貢献します。
勤怠管理システムの料金体系と費用相場
料金体系の仕組み:初期費用と月額費用(ユーザー課金制)
クラウド型の勤怠管理システムでは、初期費用と月額費用で構成される料金体系が一般的です。近年は初期費用無料のサービスも増えており、導入のハードルは下がっています。
月額費用は、利用する従業員数に応じて課金されるユーザー課金制が主流です。一人あたり月額数百円から利用できるプランが多く、企業の成長に合わせて柔軟に利用できます。また、利用機能の範囲によって料金プランが分かれている場合もあり、自社のニーズに合ったプランを選択可能です。
システム導入にかかる費用相場
クラウド型システムの月額費用は、従業員一人あたり月額200円〜500円程度が相場とされています。 これに加えて、専用のICカードリーダーなどを設置する場合は、別途機器の購入費用がかかることがあります。また、ベンダーによる初期設定の代行サポートなどを利用する場合は、追加で費用が発生することもあります。
一方、自社サーバーにシステムを構築するオンプレミス型は、比較的高額な初期投資が必要になるため、近年は手軽に始められるクラウド型が主流となっています。
無料プランと有料プランの違い、トライアル期間の活用法
一部のシステムでは、少人数向けに基本機能を無料で提供するプランもあります。しかし、無料プランは利用人数やデータ保存期間に制限があるなど、機能やサポートが限定的であることがほとんどです。
そのため、多くの企業では有料プランの利用が前提となります。有料システムの多くには、数週間から1ヶ月程度の無料トライアル期間が設けられているため、積極的に活用しましょう。この期間を利用して、操作性や自社の給与計算ソフトとの連携などを、現場の担当者も交えて検証することが重要です。
勤怠管理システム選びで失敗しないための5つの比較ポイント
ポイント1:企業規模や事業の成長性に対応できるか
勤怠管理システムを選ぶ際は、現在の従業員数だけでなく、将来的な事業成長への対応も視野に入れることが重要です。従業員が数十名規模であればシンプルなシステムが適している一方、数百名規模に拡大すると、複雑な組織階層や承認ルートに対応できる機能が求められる場合があります。
事業拡大に伴い拠点が増えた場合でも、柔軟に設定変更できる拡張性の高いシステムを選ぶことで、将来的なシステム入れ替えの手間とコストの削減に繋がります。自社の成長ステージに合った処理能力や機能を持つかどうかが、最初の比較ポイントです。
ポイント2:自社の就業規則や働き方(フレックス・テレワーク等)に適合するか
自社の就業規則への適合性は、選定における非常に重要な基準です。例えば、フレックスタイム制や変形労働時間制、みなし労働時間制といった特殊な勤務形態を導入している場合、それらに対応できるかを確認しましょう。
また、テレワーク時の「中抜け」時間の扱いや、時間単位の有給休暇など、独自のルールを設けている企業も多いでしょう。こうした複雑なルールをシステム内で自動計算できる柔軟性があるか、事前に自社の勤務ルールを洗い出した上で見極めることが不可欠です。
従業員が使いやすい打刻方法が揃っているか
システムの定着には、実際に打刻を行う従業員にとっての使いやすさが鍵を握ります。打刻方法は、PC、スマートフォンアプリ、ICカード、生体認証など多岐にわたります。
外出の多い営業職にはGPS機能付きのスマホ打刻、オフィス勤務者にはICカード打刻など、従業員の働き方に合った方法が用意されているかを確認しましょう。例えば「KING OF TIME」のように、多彩な打刻方法に対応するシステムもあります。 従業員の負担にならない、最適な打刻方法を選びましょう。
ポイント4:給与計算ソフトなど外部システムとの連携はスムーズか
勤怠管理システムの集計データは、最終的に給与計算に利用されます。そのため、現在利用している給与計算ソフトとの連携がスムーズに行えるかは、業務効率化における重要なポイントです。
集計データを手作業で加工することなく、そのまま給与計算ソフトに取り込めるシステムであれば、担当者の負担は大幅に軽減されます。また、人事管理システムなど他の基幹システムと連携できれば、従業員情報の一元管理が実現し、さらなる効率化が期待できます。
ポイント5:セキュリティ対策と導入後のサポート体制は万全か
勤怠データには重要な個人情報が含まれるため、システムのセキュリティ水準は厳しくチェックすべき項目です。通信の暗号化やデータのバックアップ体制、アクセス権限の制御機能などを確認しましょう。
また、導入後には設定や操作に関する疑問点が出てくるものです。その際に、電話やチャットで迅速に対応してくれるサポート体制が整っているかは、運用を軌道に乗せる上で非常に重要です。ベンダーのサポート内容を事前に確認し、安心して利用できるシステムを選びましょう。
無料トライアルで必ず確認すべきこと:複雑な就業規則の再現性テスト
本格導入を決定する前に無料トライアルを利用することは、導入の失敗を避ける上で有効です。この期間で特に重視すべき点の一つは、自社で運用している複雑な就業規則の再現性を検証することです。
例えば、深夜勤務や休日出勤の割増計算、変形労働時間制における残業時間の算出などが、想定通りに行われるかを実際のデータを用いて確認しましょう。また、申請から承認までの一連のワークフローが直感的で分かりやすいかも、現場の従業員を交えて確認することが大切です。
自社に合う勤怠管理システムのタイプを見極める
【企業規模別】中小企業向けと大企業向けシステムの違い
中小企業向けのシステムは、専任の担当者がいなくても直感的に操作できるシンプルなUIや、比較的低コストで導入できる点が重視される傾向にあります。
一方、大企業向けのシステムは、数千名規模の利用に耐えうる堅牢性や、複雑な組織階層に対応した緻密な権限設定機能などが求められます。複数の事業所やグループ会社を横断して管理できる機能や、独自の就業規則に合わせた高度なカスタマイズ性も、大企業向けシステムの特徴といえるでしょう。
【業界・業種別】建設業や小売業など特有の勤務形態への対応
求められる勤怠管理の要件は、業界・業種によって大きく異なります。例えば、建設業では現場ごとの勤怠管理が、小売業や飲食業では複雑なシフト作成やヘルプ勤務への対応が重要になることがあります。
他にも、医療・福祉業界では夜勤や宿直といった特殊な勤務形態への対応が求められます。自社の業界特有のニーズに特化した機能を持つシステムを選ぶことで、より自社の業務に適合した運用が可能になります。
勤怠管理システムの導入を成功させる3つのステップ
ステップ1:現状の勤怠管理における課題と要件を整理する
システム導入は、自社の課題の明確化から始めます。月末の集計作業にかかる時間や、打刻漏れの発生件数など、現状の課題を具体的に把握しましょう。
その上で、どのような機能があれば課題を解決できるかという要件定義を行います。自社の就業規則や雇用形態、連携したい給与計算ソフトの仕様なども整理し、要件としてまとめておくと、その後のシステム選定がスムーズに進みます。
ステップ2:無料トライアルを活用し、操作性や適合性を確認する
要件に合うシステムをいくつか絞り込んだら、可能な限り無料トライアルを申し込み、実際の使用感を確かめましょう。この際、人事担当者だけでなく、現場担当者を交えた検証が成功のポイントになります。
スマートフォンからの打刻はスムーズか、申請画面は分かりやすいかといった現場視点のフィードバックを集めます。同時に、特殊な勤務パターンの集計が正確に行われるかも、テストデータを用いて入念に確認しましょう。
ステップ3:導入計画を立て、社内への周知と運用ルールを整備する
導入するシステムが決まったら、本格稼働に向けた導入計画の策定を行います。特定の部署から段階的に導入するなど、導入時の混乱を最小限に抑える工夫も有効です。
また、稼働前には従業員向けの説明会を実施し、社内への周知を徹底しましょう。打刻を忘れた場合の対処法など、新しい運用ルールの整備も重要です。これらを明確に定めることで、スムーズな運用定着を目指します。
タイムカードやExcelからの移行を検討中の企業におすすめの勤怠管理システム一覧!
まとめ:自社の課題解決に繋がる勤怠管理システムの選び方
勤怠管理システムの導入は、単なる集計作業の効率化に留まらず、法改正への対応や多様な働き方の実現に不可欠な経営課題といえるでしょう。自社に最適なシステムを選ぶには、機能や料金だけでなく、就業規則への適合性や給与計算ソフトとの連携、サポート体制といった多角的な視点での比較が重要となります。まずは現状の勤怠管理における課題を明確にし、この記事で解説した比較ポイントを参考に候補を絞り込みましょう。その上で無料トライアルを活用し、現場の担当者も交えて操作性や適合性を十分に検証することが、導入成功の可能性を高めるでしょう。











